「コーチェラ2018」フォトライブレポ:ビヨンセ、ミーゴス、X JAPANまで

ザ・ウィークエンド

Koury Angelo for Rolling Stone

今から5年前の時点では、エイベル・テスファイは深い闇と謎に覆われた存在だった。しかし金曜の夜にステージに立った彼は、正真正銘のポップスターとして数々のヒットを惜しげもなく披露し、何度もオーディエンスに語りかけながら、氷のように冷たいR&Bでフィールドをダークに染め上げた。『キャント・フィール・マイ・フェイス』や『アーンド・イット』等の代表曲でオーディエンスを湧かせつつも、テスファイの音楽に潜むエモーショナルな核が消失することは決してない。初期のミックステープの作風を思わせる、熱病に浮かされたような恋愛感情を歌った『コール・アウト・マイ・ネーム』(最新作『マイ・ディアー・メランコリー、』に収録)のライブバージョンでは、サウンドをそぎ落とすことでその孤独な魂をさらけ出してみせた。

カーディ・B

Koury Angelo for Rolling Stone

土曜の午後、ブロンクス出身のカーディ・Bはコーチェラのメインステージに初めて立った。純白のステージ衣装と三つ編みにしたヘアスタイルで登場した彼女は、バックでお揃いのサングラスをかけたストリッパーたちが見事なポールダンスを披露する中、元TLCのリサ・「レフト・アイ」・ロペスを彷彿とさせるパフォーマンスを披露してみせた。そのステージには、G・イージーやチャンス・ザ・ラッパー、21サヴェージ、ケラーニ、YG等の豪華ゲストも登場した。YGと共演した『シー・バッド』では、胸の谷間や膨らんだお腹をひけらかし、大胆なトゥワークを披露したカーディに、集まったファンは狂喜乱舞した。「そして私は妊娠したってわけ!」彼女はそう笑い飛ばした。「いとも簡単にね」

ミーゴス

Koury Angelo for Rolling Stone

日曜の夜に登場したアトランタの3人組のセットは、冒頭から機材トラブルに見舞われてしまい、テンションの上がりきらない様子のメンバーたちは、散歩に出かけるかのような足取りでステージに登場した。それでもオフセット、クエヴォ、テイクオフの3人は、オーディエンスにサークルピットを作らせたり、『バッド・アンド・ブージー』に登場する「raindrops/drop top」のラインをはじめ、数々のコール・アンド・レスポンスでフロアを盛り上げるなど、騒ぎ足りない様子のファンたちのエネルギーを発散させてみせた。当日披露された『モータースポート』で、ビーフが取り沙汰されたニッキー・ミナージュとカーディ・Bの共演が実現していれば、今年のコーチェラにおける一番のハイライトとなっていたかもしれないが、すぐ近くにいながらステージに登場しなかったカーディのパートはバックトラックとして流され、ミナージュのラインは完全にカットされていた。2人のステージ上での復縁に対する期待は、来週末に持ち越しとなった。

Hardeep Phull, Steve Appleford / Translated by Masaaki Yoshida

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