ボン・ジョヴィ、ロックの殿堂入りスピーチ全文:メンバー全員で35年の歩みを振り返る

2016年の春に再びスタジオに入ったとき、俺の中には新たなプライドと目的意識が息づいていた。そして、1980年にまだガキだった俺がレコーディングしたスタジオで録音することになった。1983年にポリグラムとのレコード契約にサインし、2015年に契約更新した同じスタジオで。

このとき、最初にレコーディングしたときと同じような活気と喜びが全部の音符にあった。何かを伝えようとバンドが一丸となって作業している感覚があった。『ディス・ハウス・イズ・ノット・フォー・セール』はバンドのレコードだ。デヴィッドがずっと放置されていたクリエイティブでエモーショナルな隙間を埋めてくれた。レマ、お前はいつも俺の側にいてくれたけど、このときのお前はいつもの倍以上頼りになったぜ。ほんと、ありがとう、兄弟。

ティコ、ヒュー、フィル、そしてビリー・ファルコンがこのレコードに心をつぎ込んでくれた。ジョン・シャンクスはプライドを持ってこのアルバムの一音一音をプロデュースしてくれたし、俺が必要なときはいつでも応えてくれた。俺が求めていたもの、俺たちが得ようとして闘ったものが、『ディス・ハウス・イズ・ノット・フォー・セール』が1位でチャートインする結果として実現したのだ。

そんなこんなが、2018年の受賞者としての俺たちをここに導いてくれた。俺はみんなにおめでとうとありがとうを言いたい。君たちの音楽の記憶とインスピレーションに感謝する。過去35年間の最高の旅にかかわった全ての人たち、俺たちをずっと支えてくれたファンのみんなとこの栄誉を分かち合いたい。

これは贈り物だ。みんなの導きなくして何事も実現しなかったのだから。

本当にたくさんの人にハグして、キスして、ありがとうと伝えたい。まず俺の両親。彼らがいなかったら俺は生まれていない。俺の兄弟、マットとトニー。どんなときも俺の味方だった。俺の教父で守護神のジェリー・エデルスタイン。その後を継いで大役を果たしているチャールズ・サスマン。どんなときも離したくない朋友のポール・コージリアス、お前の人生を俺に預けてくれてありがとう。俺の親友で、最高の側近で、地球で一番ハッピーなイーグルス・ファンのオビー・オブライエン。20年以上に渡り毎日最高の仕事をしてくれる何でもできる右腕のマイク・リュー。いろいろなことを教えてくれた友達のデズモンド・チャイルド、君の才能に感謝している。

大好きな仲間でコラボレーターのビリー・ファルコン。お前が本物のシンガー・ソングライターであることに感謝だ。アーヴィング・エイゾフ、俺たちを信じて指導してくれてありがとう。君はオズの魔法使いだ。デヴィッド・マッセイとエリック・ウォング。アイランド・レコードでずっと俺たちを信じてサポートしてくれた。35年も続いているファミリー関係に感謝している。

ケン・サンシャインとティファニー・シップ。メンチやシュマックなどのイェディッシュ語を教えてくれたこと以外に、常にその言葉に嘘はなく、2人でタッグを組んで世間の雑音を排除してくれたことに感謝したい。

友達のジョン・サイクス。お前の揺るぎないサポートは何ものにも代えられないよ。ロバート・ノーマン、アリソン・マクレガー、クリス・ダルストン、CAAのスタッフ全員、そしてロブ・ライト。君はどんなときも絶対にノーと言わなかった。これは君が勝ち取ったものだよ。25年以上も俺のコーナーマンであり、エージェントでい続けてくれたんだから。

子どもたち、ステファニー、ジェシー、ロメオ。お前たちが父さんの一番のヒットだ。お前たちのおかげで毎日誇らしい気分を味わっている。愛しているよ。

そして、ドロシア。俺の全てだ。神様が俺にくれた最高の贈り物だよ。俺が息をするところには必ずお前がいる。お前にお茶をいれて、永遠に愛していると言いたいよ。

最後に、スピーチの締めとして……わかっている、そろそろ時間だ。この「そろそろ時間だ(It’s about time)」を俺は今週末ずっと考えていた。人によってこの言葉の意味合いは違うと思う。ただ、時間は俺たちの生活必需品の中で一番貴重なものだ。必要なときに使える幸運に恵まれたことに感謝するよ。アレック、リッチー、ヒュー、ティコ、デヴィッド、お前たちに、俺たちに、みんなに、ありがとう。

今夜、俺の願いを聞き入れてくれたメンバーがみんなの前で演奏する。この夢を実現できたことに対する感謝のしるしだ。



Translated by Miki Nakayama

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