絶対に見るべき4月配信予定のストリーミング作品ベスト10

『Pass Over(原題)』(4月20日、Amazon)
2017年暮れ、シカゴのステッペンウルフ・シアターで、スパイク・リーは劇作家アントワネット・ンワンドゥが『ゴドーを待ちながら』をモチーフに書いた脚本で人知れず映画を撮影した。この作品では、二人の黒人青年の一日が描かれている。サンダンスとSXSWの観客たちは、その日のヘッドライナーが演奏する前に披露された、直感的で極めて私的な舞台劇を映画化したこの作品に対して前向きな反応を示した。少しの照明と地味なセットで、リー監督と無名の俳優たちは“惰性の一日”という非常に興味深い作品を完成させている。



『シックス・バルーン』(4月6日、Netflix)
コメディドラマ『Broad City』の舞台である都市部から遠く離れたカリフォルニア南部で、ケイティ(アビ・ジェイコブソン)はヘロイン中毒の弟セス(デイヴ・フランコ)の面倒を見ている。一人で小さい姪と弟の二人の面倒を見る彼女は、ヘロインの離脱状態で苦しむ弟を見かねて急いで助けを求めに出るが、そんな混沌とした日に、彼女はボーイフレンドのためにサプライズ・パーティを準備するのだった。脚本・監督のマージャ・ルイス・ライアンが生んだ肝の座った独特のキャラクターは、この役を演じるジェイコブソンの演技の幅の広さが十分に生かされている。このドラマはジェイコブソンがイカれたコメディだけではなく、シリアスなドラマも問題なく演じられることを証明しているだろう。

『Tiny Shoulders: Rethinking Barbies(原題)』(4月27日、Hulu)
彼女は30cm弱のプラスチックの人形だ。しかし、バービーの大きな影は長い間アメリカのポップ・カルチャーの中で決して消えずに、存在し続けている。物理的にあり得ないウエストとヒップの比率は、非現実的な女性像を現実の女性に対して押し付けてきたアメリカ社会を象徴するものだ。しかし、体型のタイプをリモデリングし、職業の種類も増えたおかげで、最近になってバービーのイメージが回復してきている。ロクサン・ゲイ、グロリア・スタイネムなどの著名な学者たちが、複雑で込み入ったバービーの歴史に対する考えを述べ、フェミニストの意味を熱く議論する。唯一の疑問は……いつになったらケン・バーンズはガキたちを抑え込むのか、だ。

『ウィーク・オブ・ウェディング』(4月27日、Netflix)
この結婚式コメディは、アダム・サンドラーが2014年にNetflixと契約した4作品を製作する契約の最後の作品となる(心配無用! 彼は2017年に新たに4作品を製作する契約書に署名しているので、サンドラーのファンは今後10年は彼の作品を見続けられる予定だ)。この作品でサンドラーが演じるのは粗野な花嫁の父で、周りの人間全員の神経を逆なでする。おおらかな性格の花婿の父(サンドラーの長年の友クリス・ロック)にとっては天敵レベル。しかし、愛と家族の力で最後には収まるところに収まる。加えて、スティーヴ・ブシェミも登場するので、爆笑間違いなしだ。



Translated by Miki Nakayama

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