アジカン後藤正文が初の主宰アワードを総括「この賞はカウンターでありたい」

「まだ生まれてもいない世代のために何かをやった方が、きっと自分たちに返ってくるものが大きい」

ーありがとうございます。アワードの今後についてはどう考えていますか?

後藤:審査には女性ミュージシャンがもう一人くらいと、ラッパーやトラックメイカーの方にも参加していただけたらうれしいです。賞賛できる作品はたくさんあった方がいいですから。部門も幾つか作れたらいいけれど、その辺りはお金の面などとも相談して。でもこれは本当に、あるひとつの視点というだけで異論反論あって当然でしょうし、みんなそれぞれの場所でお金を集めて、好きにいろいろやろうよという感じではあります。

ー“まず勝手にやってみる”、大事なことですね。思い立つと形にしてみるという後藤さんの動機の由縁も、教えていただけますか?

後藤:なんでしょうね、分かりません。でも、これまでの自分の道のりを振り返ると、「これじゃあんまりだな」と思う状況がいろいろあった。それを若い人たちにそのまま残したくないし、なるべく環境は良くしていきたい。自分が納得いかなかったことを放置しない、というか。そうやって、自分のいる世界に何かしら一石投じたいという気持ちはずっとあるように思います。未来の世代へ向けて何かをやっていかないと、どんどん音楽をやる場所が無くなっていく感じがするから。そして、そういうときって、実は自分から最も遠い、むしろまだ生まれてもいない世代のために何かをやった方が、きっと自分たちに返ってくるものが大きいのかな、と想像しています。だから「自分がじいさんになるくらいまでには良くなっているといいな」ぐらいの気持ちで。いろいろやっていけたらいいですね。

後藤正文
1976年、静岡県生まれ。ASIAN KUNG-FU GENERATIONのヴォーカル&ギター。新しい時代とこれからの社会を考える新聞『THE FUTURE TIMES』の編集長を務める。インディーズレーベル「only in dreams」主宰。


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