ルー・リード、未発表詩集の発売が決定

(Photo by Gems/Redferns)

ヴェルヴェット・アンダーグラウンドのルー・リードの未発表詩を集めた詩集『Do Angels Need Haircuts?』がこの春出版される。また、詩集には1971年にニューヨーク市内の教会で自身が朗読した詩の音源が特典付録される。

ルー・リードの未発表詩を集めた詩集『Do Angels Need Haircuts?』がこの春に出版される予定だ。付録として1971年にニューヨークの聖マルコ聖堂で リード自身が朗読した詩の音源がつくという。

4月に出版予定の『Do Angels Need Haircuts?』には、リードの公式アーカイヴで保管されている全12編の詩と短編物語、リードによる詩の前書き、リードの未亡人ローリー・アンダーソンによる後書きが収められていると、ガーディアン紙が伝えた。多数あるリードの詩作品のうち、これまで出版されたのは3作だけで、そのうちの一つがザ・ヴェルヴェット・アンダーグラウンドのスポークンワード曲「殺人ミステリー」(原題:The Murder Mystery)である。

「我々ルー・リード・アーカイヴは、ルー・リードが生みだした多様で類まれな作品コレクションの中から、特にレアでユニークな作品を出版したいと常々考えていました。そこで、今回の詩集をその第一弾とすることに決めたのです」と、公文書保管人のドン・フレミングがガーディアン紙に語った。

「ルーは正真正銘の作家でした。この時期(1971年頃)、彼は自分らしい道を進むために音楽を捨てようとしていました。アーカイヴの中に彼が所有していたカセットテープを1本見つけたのですが、これに聖マルコ聖堂でのイベントが録音されていました。彼が詩の朗読を行なっていたのは知っていたのですが、どのような詩を朗読していたのかは知らなかったため、このカセットテープを見つけて興奮しました。また、彼が書いた詩の前書きによって彼の創作過程を垣間見ることもできました」と、フレミングが説明した。

今回の詩集にはリードの詩「Playing Music is Not Like Athletics」と政治的な「We Are the People」を含む、1970年にリードがヴェルヴェット・アンダーグラウンドを脱退した後の半年間に書かれた詩が収められる。この時期、リードは少しの間音楽をやめて(作詩へと方向転換して)いたが、間もなくその後ずっと続くソロ活動を始めることになる。

「Lipstick」という短編は黒い口紅がインスピレーションだったと、リード本人が1971年に聖マルコ聖堂で行ったイベントの最中に観客に向かって言っている。この観客の中にはビート詩人のアレン・ギンズバーグもいた。

出版元のアンソロジー・エディションズ社によると『Do Angels Need Haircuts』にはリードの写真と当時のレアな印刷物も収録されるという。


Translated by Miki Nakayama

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