夏木マリとBRAHMAN、映画「生きる街」公開記念でスペシャルセッションを披露

そして、観客の歓声とともに始まったのはBRAHMANのライブ。1曲目にミディアムチューン「今夜」を歌い上げ、「AFTER-SENSATION」と続けたあと、ボーカルTOSHI-LOWは叫んだ。「映画の宣伝? キャンペーン? 知らねぇよ。怪我したくねぇ奴は端に寄ってろ。いつも通り、BRAHMAN、はじめます」それを合図に鳴らされたのは「賽の河原」。観客は一斉に暴れだし、フロアは混沌を極めた。様々なアーティストのファンが集まっている場だが、いつもと変わらぬ風景が目の前に広がっていた。その後も「CHERRIES WERE MADE FOR EATING」や「不倶戴天」など、ノンストップで曲を繋げ、「ANSWER FOR…」ではTOSHI-LOWがフロアに降り、圧倒的な熱量で観客一人ひとりの意識を覚醒させていった。



最後の曲となった本作の主題歌でもある「ナミノウタゲ」を歌う前に、TOSHI-LOWはオーディエンスに語りかけた。「言いたいことは全部作品に詰まってるから、インタビューやキャンペーンなんてやる必要がないと言っていた自分が、今、キャンペーンで全国を回っている」。そして、この歌を創るに至ったエピソードを語った。東北に住んでいる仲間の漁師から泣きながらTOSHI-LOWに電話がかかってきた。何があったのかTOSHI-LOWが問うと、震災のときに波にさらわれてしまった息子が夢に現れ、「父ちゃん、死にたくなかった」と言ったという。「ナミノウタゲ」は「生きる街」の主題歌ではあるが、この漁師や息子が納得できる歌詞を書きたかったというTOSHI-LOWの想いも込められている。 

BRAHMANのライブが終わると、再びサブステージに榊監督と本作の脚本・企画プロデュース・原案を手掛ける秋山命が登壇。そして、夏木マリを呼び込み、映画のメイキング映像を見ながら、三者で「生きる街」にまつわるトークを展開。続いて、BRAHMANのボーカルTOSHI-LOWも参加し、夏木や榊監督との関係について話が続く。特に夏木とTOSHI-LOWの軽妙なやりとりに、客席からは笑いや拍手が起こった。さらに、夏木が演じる佐藤千恵子の娘・野田佳苗役とした出演した佐津川愛美、そして榊いずみも登壇し、映画の話だけに留まらないトークを繰り広げた。


photo by  石川真魚

そして、いよいよ今日だけのスペシャルセッションタイムへと突入。まずは榊いずみバンドの演奏をバックに、夏木と榊がフラワーカンパニーズの名曲「深夜高速」を歌い上げる。続いて、BRAHMANのKOHKIも加わり、夏木が率いるコーラスグループand ROSEsの「紅のプロローグ」を披露。and ROSEsは、バラの購入を通じて途上国の子供たちを支援する社会貢献プロジェクト「One of Loveプロジェクト」の一環で誕生。今も復興途中の東北に、音楽を通じて支援の気持ちを届けるために結成されたグループである。「体力があれば追っかけしたいぐらい」と強いBRAHMAN愛を表明した夏木は、ステージにKOHKIが現れると彼とハグを交わすほどの大喜び。そして最後は、夏木とBRAHMANによる「それはスポットライトではない」のカバーでエンディングを迎えた。


photo by  石川真魚



「生きる街」は3月3日(土)より新宿武蔵野館、ユーロスペース、イオンシネマ石巻など全国の映画館にて順次公開される。




映画「生きる街」
出演:夏木マリ
佐津川愛美 堀井新太 イ・ジョンヒョン(CNBLUE)岡野真也 吉沢悠 石田法嗣 小柳友 ラサール石井 斎藤工 内田理央 新津ちせ 菅原大吉 石倉三郎(写真の出演) 仲間由紀恵(声の出演) / 原日出子  升毅
監督:榊英雄
主題歌:BRAHMAN「ナミノウタゲ」 
挿入歌:イ・ジョンヒョン(from CNBLUE)「ひかりのまちで」
©2018「生きる街」製作委員会
2018年春 新宿武蔵野館ほか全国順次公開
http://www.ikirumachi.com/


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