ビートルズのインド訪問50周年、あなたが知らない16の歴史的トリビア

5.ジョージとジョンは瞑想に夢中になった。

僧院で過ごしたビートルズの中でも、ハリソンとレノンが瞑想の修行に最も熱中した。『ビートルズ・アンソロジー』の中でレノンが「僕は部屋の中で5日間瞑想した」と言っている。「何百という曲を作った。眠れなくて、狂ったように幻覚を見ていたし、匂いまで感じる夢も見ていた。2〜3時間瞑想すると、その後に3〜4時間そういう状態になる。瞑想はそういうトリップした状態に入るための方法で、その後は本当に最高のトリップを体験できるんだ」と。ボブ・スピッツ著『The Beatles』の中で、シンシア・レノンがその時のジョンは瞑想すると何も気にならなかったと言い、「ジョンとジョージは(僧院で)水を得た魚のようになった。彼らはマハリシの教えに没頭し、幸せで、穏やかになっていた。そして何よりも、長い間彼ら自身が否定していた心の平和を見つけられたのだ」と述べている。

ハリソンは瞑想とマハリシの両方が自分の人生に大きなインパクトを与えたと感じた。彼は「瞑想で酔ったような状態になるのが最高だった」とポール・サルツマンに語っている。「ドラッグを使っていた時よりもハイな気分になれる。それにこれは僕にとって神とつながる方法でもある」と。また、ハリソンは僧院に来た目的を真剣に捉えていた。『ビートルズ・アンソロジー』でマッカートニーがハリソンについて「彼は本当に真剣だった。僕が次のアルバムの話をしたら、彼は『ここには音楽の話をしに来たんじゃない。瞑想をしに来たんだ』と言った。そこで僕は『ああ、わかったよ、ジョージ君。でも冷静になれよ。ここでだってユーモアは必要だぜ。実のところ、僕もここは気に入っているよ』と返したんだ」


ポール・サルツマンとリンゴ・スター(
Photo provided by Insight Editions from ’The Beatles in India’ © 2018 Paul Saltzman

6. 滞在中、リンゴには辛いこともあった。

リンゴ・スターは後にインドでの体験は楽しくてエキサイティングだったと回想しているが、食べ物と環境に適応するのが辛かったらしい。アレルギーがあった彼は、ハインツのベイクドビーンの缶詰を持参していた。また、僧院で彼のために準備された食事には玉子が提供されたが、実は玉子は僧院では食べてはいけない食品の一つだった。『ビートルズ・アンソロジー』でリンゴは「彼らが貝類を買っている姿も目撃した。これは自分が思っていたようなことではないかもしれないと疑い始めた最初のきっかけだった」と述べている。

リンゴと彼の妻モーリーンにとって問題となったのが虫だ。「風呂の中でサソリやタランチュラを撃退しないといけないんだ。撃退したら、すぐに風呂を出て、身体を拭いて、部屋の外に出ないとダメなのさ。虫が戻ってくるからね」と語っている。また、彼らにとって子供たちと離れたことも辛かった。そのせいでスター夫婦は滞在10日で僧院を去っている。そして、彼らの2〜3週間後に僧院を去ったのがマッカートニーと当時の恋人ジェーン・アッシャーだった。『The Love You Make』でピーター・ブラウンが「ポールには全く効果がなかった。マハリシの偽りの真剣さも、瞑想の退屈さも、彼にしてみれば、まるでつまらない学校に通っている感覚だった」と書いている。

Translated by Miki Nakayama

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