来日中のブライアン・セッツァー、今なお衰えないエネルギーの源泉


トム・ペティとグレン・キャンベルへの想い


ー あと最近のツアーでは、昨年亡くなったトム・ペティの「Runnin Down A Dream」やグレン・キャンベルの「Wichita Lineman」も披露していたみたいですが。


ブライアン そのときは亡くなったばかりだったから、トリビュートとして演奏したんだ。でも、いつまでもそこに固執するのもいけない気がして、今回のセットでは外すつもりだったんだよね。でも、こうやって質問されると迷ってしまうな……。

ー 二人とも偉大なミュージシャンですよね。あなたの想いを改めて聞かせてください。

ブライアン グレン・キャンベルは末期の作品で、僕もプレイしているんだ。昔、「The Glen Campbell Goodtime Hour」というTV番組に出演していて、まだキッズだった僕は、グレンが出てきてギターやバンジョーを弾くのをすごく楽しみにしていたんだ。彼は音楽をお茶の間に届けてくれる人だった。トム・ペティとは、あるときロカビリーを一緒にジャムったり、エルヴィスやリッキー・ネルソンの曲を一緒にレコーディングしたことがある。それに、彼のツアーで前座を務めたこともあった。だから、とにかく悲しかったよ。もうロックスターは死ぬのをやめてほしいね。ノー・モア・トリビュート!

ー その一方で、あなたのステージングには老いや衰えなんて微塵も感じられません。エネルギッシュであり続けるための秘訣はありますか?

ブライアン 犬を二匹飼うといいよ(笑)。一緒に散歩したり、ボールを投げたりしながら遊んでいるうちに、おのずと若さをキープすることができるはずだ。あとは好きなように食べたり呑んだりしてもOK!

ブライアン・セッツァー・オーケストラ

ー BSOとしての活動も25周年を迎えました。その長い歩みのなかでハイライトやターニングポイントを挙げるとしたら?


ブライアン 自分たちの場合は、どんどん積み重ねてきたんだよね。大所帯なのもあって、コストの面で続けていくのが困難だった時期もあったけど、そういうピンチも何とか乗り越えることができた。そうやって、未だに大きくなり続けているのがこのバンドだと思う。今やアメリカでは、テキサスやテネシーだとアリーナ規模でライブができるようになった。そう考えると自分はラッキーなんだろうな。

ー 今では信じられない話ですけど、最初にオーケストラを立ち上げたときは反対意見もあったそうですね。

ブライアン 初めてのショウはLAのロキシーでやったんだけど、お客さんよりもバンドの人数のほうが多かったからね。本当に誰もいなかったから、自分でチケット代も払ったよ(苦笑)。でも、そこからハウス・オブ・ブルースやグリークシアターでやるようになって、今じゃアリーナだもんね。なぜ上手くいったのかはわからない。自分はただ本当に、好きなことをやり続けてきただけだから。僕らの音楽を聴いて、好きになってくれる人がいる。そのおかげで、こうやって日本にも来ることができるわけだしね。

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