オーケストラによる、古い曲の再解釈 ー 最近はどんなものにインスピレーションを得ているのでしょう?ブライアン ピース&クワイエット。僕はバイクが大好きで、運転しているときに何かが思い浮かぶときもあるし、静かで穏やかな時間のなかでインスピレーションを得ることも多い。あとは犬を連れて散歩しているときとかね。ー よく聴いている音楽は? ブライアン 古いジャズやロカビリー、あとはジャンプ・ブルースかな、ビッグ・ジョー・ターナーとか。それと最近は、ドゥーワップにもハマっている。あの音楽は過小評価されていると思うよ。ザ・レイヴンスの「Count Every Star」という曲が好きで、低音のコーラスが実に美しいんだ。(実際に歌いだして)こんなふうに、部屋が揺れるような感じなんだよ。VIDEO ー さらに、今回のツアーでも往年のヒット曲がプレイされる予定だと伺っています。昨年のライブでもストレイ・キャッツ時代のナンバーを披露していたみたいですが、そういった古い曲を演奏し続けることで、改めて発見することはありますか? ブライアン いい質問だね。なぜかというと、自分の書いた曲をビッグバンドで演奏するために、新たな解釈を加えながら演奏することで、まるで新曲をプレイしているみたいに思えてくるんだ。最初に自分が想定していたものとは異なる、新しい生き物を育てているような感じだね。さっき話した新曲も今回初めてビッグバンドで音合わせするし、最近のライブでやってこなかった「涙のラナウェイ・ボーイ」がどんなふうに生まれ変わるのかも楽しみだよ。ー やっぱり同じ曲を演奏するにしても、バンドとオーケストラで演奏するのでは感覚が異なるものですか? ブライアン 僕のプレイ自体に変化はないね。ただ、ビッグバンドで演奏するときは音がいくつも鳴って、たくさんのコードを用いるから、それに合わないものを出すと音がぶつかってしまう。でも3ピースや4ピースで演奏する場合は、ベースはワンループになるので、ある程度好きなように演奏できる。そういう違いはあるかな。