アメリカのTV界に驚きをもたらした長寿番組「WWE ロウ」の25年

ショーン・マイケルズは「ロウ」の象徴の一人

―既に亡くなってしまった「ロウ」の仲間たちもいます。この場にあのみんなが揃わないのは、ちょっとほろ苦い感じがしませんか?

トリプルH そうだね。本当はこの場に参加してほしかったけど、残念ながら亡くなってしまった人物のリストを作ったとしたら、本当に長大なものになる。できれば、みんなで25周年を祝いたかったと思う。でも祝祭というものは、今生きている者のために行うものだ。今ここにいるみんなが成し遂げたことのためにエキサイトするんだよ。亡くなった人たちの分も背負ってね。

―「ロウ」が輩出した選手は、いずれも長く愛され続けますよね。

トリプルH ショーン・マイケルズはその筆頭だね。ザ・ミズもショーンが自分にとってどれだけのヒーローであったかを語っている。今ではザ・ミズはショーンと仕事をしていて、一緒に映画も作っているし、共にリングの上にも立っている。まったく信じられないよ。他の何かのキャラクターでここまでの長寿を保っているものがあったら教えてほしいくらいだ。

―「ロウ」が長期間続いていることに関して、最後に何か言っておきたいことはありますか?

トリプルH WWEはこれまで一つのカテゴリーに括られなかった。「これはスポーツなのか? 映画なのか? テレビショーなのか?」ってね。どう位置付けていいか分からないから、ずっと見過ごされてきた。誰かがWWEどう分析しようと構わない。25年間、毎週ほぼ生中継でTV放送されてきた。そこに登場したコンテンツやキャラクターが、ある意味でさまざまな人々の生き方を形作ってきたんだ。毎日、本当にたくさんの同世代のファンがこう言ってくるんだ。「やあ、僕の少年時代をクールにしてくれて本当にありがとう」とね。俺が少年だったときはリック・フレアーやダスティ・ローデスがいた。だからファンの言ってることはよく分かる。それにここまでの長寿番組になって、今さら突然終わってしまう可能性もない。「そうだ、これこそが『ロウ』だぜ!」っていうふうに、我々がこれを続けているんだ。こちらが自慢しようとしまいと、これがどれほど信じがたいような達成感かは、誰もが認めざるを得ないさ。

―では、祝祭の終わった翌朝には「大丈夫、今度はあと25年どうこれを続けるかをみんなで考えねば」となるんでしょうか?

トリプルH おいおい、それは毎週の話だよ。1年前、ビンス・マクマホンがレッスルマニアの現場にいたとき、全試合が終わると彼はヘッドセットを外した後、深い息をして「今回はよかった」となった。すると我々のライターが彼のところに歩み寄って翌日の月曜日の「ロウ」のためのスクリプトを手渡したんだ。彼はこう言ったね。「これが俺のオフなのか? まあいい、さあやろう!」って。つまりはそれが俺たちの仕事だ。火曜の朝に目が覚めたら、それが次の25年の始まりだ。

Translated by LIVING YELLOW

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