20年前のBRAHMANと2018年のBRAHMANTOSHI-LOW 俺はね、あのときから「ACIDMANってなんかアートっぽい、芸術ぶってる」っていうのが鼻について“嫌い!”って当時は思ってた。
大木 初めて聞いた(笑)。嘘でしょ? 俺、ずっと好きでいてくれてると思ってたわ。
TOSHI-LOW いけすかん。あいつ帽子取らんし、と思って。
大木 まあ、いいですけど(笑)。じゃあそのイメージが変わったのって?
TOSHI-LOW 話してると不思議で、普段からファッショナブルな格好をしてるのに、なんだか人間の泥臭いところがある。そうかと思えばクールな部分もあるし、いい意味でつかみどころがなかったんだよね。で、いつからか自分の本当の気持ちについて話してくれるようになって、バンド活動の今後のことだったり、その頃から急激に仲良くなったと思う。
大木 20年前、ファッションの世界と音楽のシーンがすごく密接で、その頃よく名前が挙がっていたのがBRAHMAN。本人たちがモデルで登場したり、クリエイターがみんなBRAHMANのCDを紹介していたり、おしゃれでカッコいい存在だけど、音楽はストイックというイメージがあった。今のBRAHMANって泥臭いでしょう? それこそ「今夜」みたいな曲とか、当時のBRAHMANだったらああいう曲を歌うなんて、まず思わなかった。でも、今あらためて思うのは根本にあるものは同じだったんだなって。
俺は、未だに尊敬でしかないですよ。震災以降の動き、いろんな人への気遣いもそうだし、口は悪いけどすっげえ大きい愛で包んでるっていうのがめちゃくちゃ分かるから。いつもカッコいいなあって思っているんですよ。……って、この話に関してTOSHI-LOWはさっきから無言ですね(笑)。
TOSHI-LOW ……。
大木 11月に開催した「SAI」は、2015年にBRAHMANがやった「尽未来際」にかなり影響を受けてます。BRAHMANの音楽へのスタンスだけじゃなく、生き様みたいなものからはずっとインスパイアされていて。あと「俺は人の悪口は言わないでおこう」って、反面教師的に捉えてるところもある(笑)。
TOSHI-LOW 俺、悪口とっちゃったら言うことないもん(笑)。