マーク・ハミルが明かすルーク・スカイウォーカーの実像

BRIAN HIATT | 2018/01/22 19:32

| 40年以上に及ぶルーク・スカイウォーカーの歴史について語った、マーク・ハミル(Photo by John Wilson) |


「僕は生真面目で頭が固くて、ワイルドでむこうみずな彼女(キャリー・フィッシャー)は、まるでメイム叔母さんのようだった」

MH その誕生以来『スター・ウォーズ』の興奮はずっと続いてるんだ。エピソード6の公開後も、続編への期待が絶えなかったようにね。その公開は16年も先になるっていうのにさ! 個人的には、ジョージは5年くらい充電して、88年か89年には続編に着手するんじゃないかって思ってたんだ。続編の制作が決まったときは、まるで『Disney’s クリスマス・キャロル』のフェジウィッグにもう一度会えるような興奮を感じたよ。もうほとんど諦めてたからさ。20代の頃の自分にはなかったような感謝の気持ちを覚えたんだ。でもかなりの覚悟が必要になることも覚悟してた。これは決して喜びに満ちた物語ではないし、僕自身の一部といってもいいから。それに言わずもがな、キャリーのこともある。悲しみに押しつぶされそうになることもあるよ。時間が痛みを癒してくれると信じていたけど、『スター・ウォーズ』の話をするたびに心の傷が疼くんだ。スクリーンでの彼女は素晴らしいよ。ファンもきっと喜んでくれると思う。

でも、今はそれが悲しみを膨らませてしまう。物語から生まれる感情は美しいけれど、現実のそれはあまりに残酷だ。できることなら、ファンタジーはファンタジーのままであり続けて欲しかった。未練がましいけど、こんなふうに思うんだ。「次の撮影は中国か。移動中は機内でキャリーがさんざん笑わせてくれるんだろうし、彼女とまたディナーを一緒にできるのも楽しみだ」なんてね。今でも僕のすぐ後ろで、彼女が中指を突き立ててるように感じるんだよ。


“しかるべき休暇”を与えられた『スター・ウォーズ』の主役たち 左からマーク・ハミル、キャリー・フィッシャー、ハリソン・フォード  (Photo By Steve Larson/The Denver Post via Getty Images)

ー彼女との関係はどのようなものだったのでしょう?

MH 彼女はわがままで手に負えなかったけど、それも含めて大好きだったよ。本当の兄妹かのように大ゲンカすることもあったけどね。「君はわがままでどうしようもなく世間知らずだ。さすがは映画スターの家系だ、恐れ入ったよ!」なんて僕が言うと、彼女は「うるさい! どっか行け!」みたいな感じでさ。今でも彼女のことを恋しく思うけど、ビリー(・ラード)の苦しみはきっと比べものにならなかったと思う。2日間のうちに母親と祖母(デビー・レイノルズ)を失ったわけだからね。きっと底知れない悲しみに暮れていたと思う。でも、少なくともその思いのいくらかは、世界中の人々が共有していたと思うんだ。彼女は世界中の人々から愛されていたから。僕は今でも、彼女について過去形で話すことがどうしてもできないんだ。彼女は今も僕の中で生き続けているから。

ー2年前の取材時に、私がキャリーの取材を控えているというと、あなたはそれが素晴らしい経験になるはずだとおっしゃいましたが、実際にそのとおりでした。彼女と過ごした時間はまさにファンタジーでした。

MH そうだろうね。僕らが初めて顔を合わせたときも、20分もすれば彼女は気を許してくれたよ。あまりにおしゃべりだから、「こんなこと話しちゃって大丈夫なのかな?」って心配になることもあったけどね。僕は彼女の父親とも面識があるっていうのにさ! 彼女と初めて会った日、親睦を深めようってことでロンドンのとあるお店でディナーをとったんだ。その時思ったよ、物語じゃ僕たちは双子かもしれないけど、現実じゃまるで正反対だって。彼女は非情なほどに率直で、遠慮というものをまったくしなかった。そうはっきりと伝えたこともあるよ。「僕も君と同じイカれた人間だってことは自覚してる。でも君の行動と言動は『正反対の人間だから』っていう理由で許される範囲をとっくに越えてる。約束の時間を守ったためしがない!」ってね。僕は生真面目で頭が固くて、ワイルドでむこうみずな彼女(キャリー・フィッシャー)は、まるでメイム叔母さんのようだったんだ。

ー『帝国の逆襲』の撮影時に、彼女はローリングストーンズのメンバーとパーティに興じたそうです。まるで都市伝説ですが。

MH はは、さすがだね。知らなくてよかったよ、その場はプレジャーアイランドに連れてこられたピノキオのシーンさながらだっただろうからね。

ーそのパーティには招待されていなかったんですか?

MH まさか! 呼ばれてたらはしゃぎまくってただろうけどね。バックステージに招待されたわけじゃないけど、彼女と一緒にストーンズのコンサートに行ったことがあるんだ。僕らはロンドンにいて、2カ月後にストーンズのコンサートがあるらしいよって言うと、彼女は「そんなの時代遅れよ。皆が騒いでるものって興味ないし」なんて言ってた。でも当日になって僕が「やっぱり行きたい!」って言うと、彼女は「私も! ダフ屋からチケット買おうよ!」なんて言うんだよ。そういうわけで僕らは一緒にそのコンサートに行ったんだ。

ーライアンは「ルーク・スカイウォーカーを演じるマーク・ハミルにはいかなる指示も不要だ」と話していました。撮影はスムーズそのものだったと考えていいのでしょうか?

MH そうだね。ジョーカーと同じさ。あのクレイジーな車のハンドルを握った途端、そのキャラクターに染まるっていうさ。僕にとってのルーク・スカイウォーカーもそんな感じなんだよ。脚本を読んで、キャラクターの大まかなイメージだけ掴んだら、あとは流れに任せるんだ。僕は(さまざまなアニメや映画で)ジョーカーを何度も演じているけど、毎回初めて挑むつもりでやってるんだ。というのも、各作品には関連性がないことも多いからね。例えばそれが主に子供向けの作品だった場合、恐ろしいんだけどちょっとおどけたピエロっていう、典型的な悪役のイメージに徹する。もっと大人向けの内容なら、残酷でイカれたサイコパスになりきる。ジョーカーといってもいろいろなタイプがあるんだよ。

ールークは壮絶な人生を歩んでいますよね。

MH: ルークが? そんなことないさ。
Translated by Masaaki Yoshida

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