闇をくぐり抜けた「今」のLUNA SEAが描く新ビジョン



そして『LUV』からINORANが作曲を担当した「Hold You Down」が演奏された。実は、今回のライヴはこの曲が核になっていたと思っている。実際、ライヴ終盤でSUGIZOが「今回のアルバムは賛否両論が巻き起こっています。でもそれがとてもうれしい。LUNA SEAはいつも新しいことを追求してきたので、いつも賛否両論が起きていたので」と語っていたように、確かに今回のアルバムは、深淵な闇を彷徨ってきた感のあるLUNA SEAとは一転し、キャッチーで多幸感溢れるサウンドがアルバム全体を包んでいる。これは従来のファンからしたら意外だったはずだ。だがSUGIZOはこうも言っていた。「このアルバムが40代後半の僕らの真実です」と。



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INORAN(Photo = LUNA SEA Inc.)

この言葉を信じるならば、LUNA SEAのメンバーは今、闇の先にある明るみに手が届いているということだ。実際に「Hold You Down」の演奏時は、メンバーの後ろに鮮やかな幾何学模様が映し出されていた。その明るさは、LUNA SEAにしか辿り着けないユートピアのような気がした。もちろん、今までもLUNA SEAの音楽はファンにとってはユートピアではあった。ただしそれは闇の中にあるユートピア。でも今回は、闇の先にある光り輝くユートピアだ。




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