VAMPS最新作『UNDERWORLD』:HYDEが語る、海外進出における戦術とは

By Joe Yokomizo
HYDEが語る、海外進出における戦術

―その辺が悩ましいですよね。逆に、切り捨てた日本のエモーショナルな部分ってHYDEさん的にはどう思うんですか?
 
大好きです。
 
―こういう海外志向の音楽をやっていると、日本の音楽を湿っぽく感じたりだとかしません?
 
僕、そんなに染まってないですよ(笑)。日本の音楽もすごく好きだし、良さも理解できます。やっぱりなんだかんだで昔からそういう音楽が日本の中心にあると思うんですよね。でも、アメリカではそういうブームは10年前に去ったし、それを今向こうでやることは遠回りだということに気が付いたんです。日本らしい情緒を取ることで自分の音楽性のすべてがなくなってしまうわけではないし、そこは割り切って。そもそも構造が違いますからね。例えば日本だとサビだけで8つ以上コードが出てくるかもしれないけど、アメリカでは4つくらいのコードでOKだったりするし。僕はその両方をわかっているつもりです。
 
―あと、向こうで受け入れられるには歌もすごく重要だと思うのですが、発音のクオリティが上がってるなと感じました。前作はHYDEさんが英語で歌ってるっていう感じだったけど、今回の1曲目を聴いた時いきなりゲストヴォーカルかと思ったくらい。ラルクの時とは全然歌い方が違いますけど、それってバンドの方向性や立ち位置的なものを加味して意識的に変えているんですか?
 
それはラルクとかVAMPSとかに関わらず、いろいろ試行錯誤してきた結果なんです。だから、極端な話毎年違うんですよ。ラルクも今年は今までとは変わっているだろうし、VAMPSも今回のアルバムは特に変わっていると思います。これは変えたというよりも成長なんですよね。で、今回のレコーディングで僕が思ったのは、発音がいいからってアメリカの音楽には聴こえないということ。発声方法がすごく重要で、ネイティヴの子でも発声がちゃんとしていないと日本人っぽかったりするんですよ。だから、その発声を今回は特に重視して歌いました。発音はなかなかネイティヴにはならないけど、発声はずいぶん近づいたと思う。
 
―どう違うんですか? 具体的に。
 
分かりやすく言うと、日本人の歌はキンキンして耳が痛いんですよ。でも、海外のアーティストはそれがない。外国人だとそれが当たり前に出来るんですけど、日本人は出来ないから、同じ音楽をやろうと思った時に無理が生じるんです。
 
―骨格の違いもあるんでしょうね。
 
そうそう。喋り方も普段から腹式なんですよね、彼ら(笑)。
 
―あとは、果たして日本のファンがこれをどう受け取ってくれるかですね。
 
昔からのファンは"あれ?"と思うかもしれないけど、新しいファンはひょっとしたら良くなったと思う人もいるかもしれない。そういう意味では、どういうふうにみんなリアクションするのか楽しみですね。ちなみに、先にシングルとして出した『CALLING』は思ったより反応良かったです。どうかな? と思ったけど。この延長でいくと、もともとのファンにも好きになってもらえるんじゃないかな。ただ、気になるのはそこ以外のファン層なんですよ。いわゆる"グレーゾーン"がどういう反応をするのか楽しみ。
 
Text by Rika Suzuki (RSJ)

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