『3月のライオン』後編:大友啓史監督が分析する神木隆之介の魅力

By RollingStone Japan 編集部
大友啓史監督が分析する神木隆之介の魅力:『3月のライオン』後編。(C)2017 映画「3月のライオン」製作委員会

—なるほど。でも、それほど豊かな表現が求められるってことでもありますよね。

神木:そうですね。僕には義理の父もいないので、義理の父とどう接するかは実際のところわからないですが、僕の中では、適度な関係性をそれぞれの登場人物たちと自然な形で持てたと思っています。"桐山零が生きている"という表現ができたのではないかと思います。

—子供の頃から役者の世界で生きてきた神木さんと、子供の頃から将棋の世界に生きてきた桐山零。共通項もたくさんあると思うのですが、中でも二人が強くシンクロするシーンは、「俺には将棋しかねぇんだよ!」だと思います。「俺には役者しかねぇんだよ!」とも聞こえて、ぐっときました。

大友監督:俺もぐっときましたよ(笑)。


(C)2017 映画「3月のライオン」製作委員会

神木:漫画からは声が聞こえないので、"零はどのように叫ぶのだろう?"と考えたんです。大きく叫びすぎても零ではない気がしました。大友監督の「桐山と神木は似てると思うんだよね」という言葉をヒントに、自分が零と共有できる部分を考えながら役作りをしました。

僕は、衣装を着ていないと現場にいてもいいのかなと思ってしまうことがあるんです。衣装を着ていないと、何か落ち着かない。「誰かがここにいてもいいと言ったから、ここにいられる」と思うんです。僕にとってそれが現場では衣装だったりします。衣装を着ている時は、ここにいなければいけない理由が出来るので、落ち着きます。

大友監督:あのシーンは舞台も非常に重要でしたね。将棋会館の帰りだから、千駄ヶ谷という場所は決まってる。公園とか橋の上とか良いロケーションはたくさんあるんだけど、それだと景色が抜けちゃう。背景が抜けちゃうと、ヒロイックに見えちゃう。でも零はそうじゃないなと。このシーンは何時で、周りに人は何人いて、そういう設定は結構大事な要素で、あそこはすごい悩みましたね。場所っていうのはこっち(監督)から役者へのボールなんですよ。どういう場所に役者を置くかで、そこに立った時に何かが役者の中に生まれるので。


(C)2017 映画「3月のライオン」製作委員会
Interview by Sahoko Yamazaki (RSJ)

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