『イップ・マン 継承』:川井憲次が迫力のバトルシーンを盛り上げる音楽の秘密を解説

By TOMOHIRO MIBU
川井憲次が『イップ・マン 継承』の迫力のバトルシーンを盛り上げる音楽の秘密を解説。(C) 2015 Pegasus Motion Pictures (Hong Kong) Ltd. All Rights Reserved.

—音楽で心がけていることは?

ざっくりいうと、そのシーンがカッコ良くなればいいということです。それが戦いであろうと、静かなシーンであろうと、映画のそのシーンが、観ただけではなく、感情的にもっと深みが出て、カッコ良くなれば自分が気持ちよくなる。自分が気持ちよくなるのが実は一番大事で。うまくいかない時って、自分でもなんか違うなと思うわけですよ。そういう時は、自分が気持ちよくなるまで作り直す。気持ちよくなれば、最終的にはカッコ良く見えるんじゃないかと思っているんです。それをお客さんがどういう風に観てくれるのかは分からないんですが、そこだけは自分で心がけていますね。

—リズムとメロディーはどちらが先に思いつくんですか?

同時ですね。やっぱりシーンによって切り替わりがあったり、振り返ったり、パンチを出したり、そういうタイミングがあるので。アクションの場合は、特にそこをキッチリと合わせなきゃいけないんですよ。それを合わせるためには、ある程度テンポは決めていかなきゃならない。そのテンポにキッチリと合わせるために、微調整もしています。実はテンポも、曲のスタートはBPM(演奏のテンポを示す単位)90だったのに、チェンジするところでは実は88.7くらいになったりすることも。実は微妙に気付かないところでテンポをいじっているんですよ。それはおそらく聞いていても分からない範疇だと思います。それから気分があがったりとか、ある程度ビックリするところなどは、変拍子を入れてみたりとか。いろいろな方法を使って合わせていくわけです。

—アクションでカットがパッと変わるものと、長回しでジーッと捉えるものでは、音楽の作り方は変わってくるんですか?

カメラの位置などはあまり気にしないです。むしろシチュエーションの方が大事なので。特に(イップ・マンが使う)詠春拳の場合は、動きがスチール写真のように止まるところがあるわけです。その時には音楽も止まるわけです。あとは、止まっているところの気分を盛り上げる曲を作って、動き出したらまたリズムが始まるとか。そういう作り方をしていますね。

—やはり映像とのコラボを大事にしていると。

そうですね、それしかないですね。音楽だけ単体で切り取ろうとは思わないんですよ。やはり映像と合わせてナンボのものなので、そんな中でも「映像と合わさなくてもいい」と言ってもらえる時もあって、それはそれでうれしいことなんですけど、手がかりがない分逆に大変ですね。


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