『イップ・マン 継承』:川井憲次が迫力のバトルシーンを盛り上げる音楽の秘密を解説

By TOMOHIRO MIBU
川井憲次が『イップ・マン 継承』の迫力のバトルシーンを盛り上げる音楽の秘密を解説。(C) 2015 Pegasus Motion Pictures (Hong Kong) Ltd. All Rights Reserved.

—川井さんは、実際の映像を観てイマジネーションを膨らませるタイプだと伺いましたが。

最初から音楽を作ることはあまりないですね。まず映像を観てから、「どんな曲にしますか?」という話をします。それで「まずはメインテーマを聴かせてください」というところから始まる。そこから「あれが違う」とか色々な打ち合わせをして、メインテーマがオッケーということになったら、あとは映像に合わせて作っていくという作り方をしています。

—『イップ・マン』は打楽器のリズムが印象的ですね。

そうですね、監督が打楽器が好きなんで。

—川井さんもお好きなのでは?

確かに自分の趣味というのもあります(笑)。やはり戦いには太鼓かな、と。ただ、基本的に日本の太鼓も中国の太鼓もあまり差はないですから、生を含めた色々な太鼓を使いました。でも、そこが生音なのか、シンセなのかはともかく、やはりベーシックとしての雰囲気が出せればと思いました。


(C) 2015 Pegasus Motion Pictures (Hong Kong) Ltd. All Rights Reserved.

—メロディーも、中国の二胡を使った甘い音が入っている曲もありましたが、中国映画ならではの中国テイストというのは意識したんですか?

僕は使いたいなと思うんですが、中国や香港の人は使わなくていいと。むしろ映画に合っていれば何でもいいという考え方のようで。むしろ中国楽器にこだわることはしないでくれと言われました。「せめて二胡だけ入れさせて」ということで、二胡を入れさせてもらったんですが、あまりそこにはこだわってないみたいですね。日本映画だからといって、三味線とお琴をいっぱい入れてくれというものでもないでしょうしね。

—ほかにも監督とのやりとりで印象的なことはありますか?

「盛り上げて」というのは毎回、打ち合わせの中でのポイントになります。イップ監督は、メロディーに対してもいいセンスを持っているんで、もっと情緒的に盛り上げてくれないかと僕によく言いますね。逆に僕がここは音を抑えた方がいいんじゃないかと思うところでも、ダーッといっちゃいましょうと。だから僕にとっては勉強になりますね。そういう監督のこだわりには応えたいなと思っています。

—イップ監督は音楽にもこだわりがあるんですね。

1作目の時に、ある師匠がイップマンと戦いたいと言って戦うシーンがあったんですが、あそこで作った曲を監督が気に入ってくれて。これをメインテーマにできないだろうかと言われて、逆に僕の方が気付かされたということがありました。「それはいいかもしれない、じゃあそうしましょう」と。それがメインテーマの曲になったということがありました。作っている側が気付かない部分に気付かせてくれる監督のサジェスチョンというのは、僕にとっては本当にありがたいことですね。『セブンソード』の時にもそういうことはありました。

—中には「全部お任せ」という監督もいらっしゃるのでは?

もちろんそういう方もいます。何も言ってくれないのも、それはそれで楽なんで、一概にどちらがいいとは言えないんですけどね(笑)。

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