MIYAVI インタヴュー:俺は止まらないし、振り返ってる暇もない

By RollingStone Japan 編集部
デビュー15周を迎えたMIYAVIが語る、過去、現在、未来の自分。

—以前、MIYAVIさんのスタジオ・セッションを拝見したのですが、音楽を作る作業=人生を表現する作業、というようなお話をされていたのが印象に残っています。

アートという概念で見たとき、アーティストっていうのは死んで初めて完成する気がします。マイケル・ジャクソンもそうだった。画家のゴッホがアルル地方に行って作風が変わって、初期とは全然違うスタイルを確立したように、俺らは生き物ですから、創作活動、つまり生きた軌跡自体がアートになっていくんです。自分もこの15年間でここまで変わったし、表現の幅も広がった。この15年の幅を振り返った時、俺はこの先の15年にもすごくワクワクします。なぜなら、15年前の自分に今の自分は見えてなかったから。なのでここから5年、10年、15年の自分が楽しみですよ。

—数年前のインタヴューで、「まだまだグラミーは遠い」ってお話をされていたのですが、逆にその言葉がグラミーまでの距離を計って見据えているんだなと感じました。

これは全ての物事に言えるんですけど、グラミーも結果でしかなくて、目標ではないんですよね。良い作品を作る。それを発表する。たくさんの人に届く。それが結果として表彰される。一つのバロメーターとして捉えていて、クオリティという意味では、自分はまだ遠いなと思います。

先日、タイの難民キャンプに行って来たんです。UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)という難民の支援をしている国連の組織とお仕事をさせてもらっていて、これまでにも一緒にレバノンに行かせてもらいました。"VIPチケットを売ってでっかい会場でやる"みたいな興行的成功も大事なんだけど、自腹で難民キャンプに行ってマイクとアコギで子供たちの前でライヴをやるっていうのも、今、同じくらい大切なものに感じています。その両方をやって架け橋になることが大事なのかなって思うんです。

チャリティやボランティア、政治的な活動って、ロックとかファッションからかけ離れたものとされてきたじゃないですか? アーティストも「俺、政治的なこと歌わないよ」という人も多い。音楽はエンタテイメントなので、そういう非現実的なところがあるべきだとは思うんですけど、でもやっぱり俺たちがやるべきこと、表現していくべきことってあるんじゃないかなって。アーティストとして影響力を持つ上で、避けて通れないことでもあると思う。なぜなら音楽も映画もファッションも、平和な世界だからできることで、じゃあ今、世界がバラバラになろうとしてい中で、アメリカの大統領が変わって世界に壁作るとか言い出して、UKもEUから離脱して、ある種、風潮として世界が内向的になっている今、果たしてそんなこと言ってられるのかなって。

国連の人とも話していたんですが、ずっとそういうものがエンタテイメントの世界から隔離、分離されてきたんですよね。俺も実際にUNHCRとの活動を始めるまでは、水色の帽子なんて被ったことなかったしね(笑)だけど本来、そういう活動はクールな人たちがクールな形でやらなきゃいけない、と。俺もそう思うんですよ。俺たちが責任を持ってそれをクールにやれたら、みんなやるでしょ? だってそれがクールなんだもん。



"ジャンクフード食って、タバコをポイ捨てする、それがカッコいい"みたいな時代はとうに終わってる。ロック自体も新陳代謝しなくちゃいけない。"何がカッコイイのか"という価値観は、俺たちが変えていかなくちゃいけないんだよね。被災地に行っても難民キャンプに行っても、変わらずカッコよくいる。それがカッコよく見えることが大事だと思うんですよね。

今日も他の取材で、「ギタリストってカッコイイですよね」とか言われて。でも、ギタリストがカッコイイのは、ギタリストがカッコよかったからなんだよね。今までの歴代のギタリストがカッコよく生きてきたからなんですよ。でも今、そのカッコイイの定義も変わってきてる。そのままやってたら、もうクールではないんですよ。俺はギタリストとして、ギターの衝動を今の時代にもう一回ぶち込みたい。自分が受けた衝撃とかワクワクをもう一度この時代に取り戻すのがミッションだと思ってる。
Interview by Sahoko Yamazaki (RSJ)

RECOMMENDED

TREND