the pillows山中さわおが語る、新作『NOOK IN THE BRAIN』制作の背景

By Yuko Sakuma
the pillows / 山中さわお(Vo. & Gt)、真鍋吉明(Gt)、佐藤シンイチロウ(Dr.)

-日常の中で音楽について考える時間が長いことがわかりやすく伝わります(笑)。

音楽というかピロウズのこと、自分の作品のことですかね。歌詞が一番大きいんですけど、例えば何かすごく心を惹かれるものがあると、ジャケットのアイデアに使えないかなとか、Tシャツのデザインに使えないかとか。バラエティ番組でさえもMCに使えないかとか、ピロウズを無視して無邪気に楽しめるってことはなかなかないんです。すぐに何かに利用しようと考えていると思います。

-今回のアルバムでは、オルタナティヴな要素を復活させましたよね。そうしようと思ったきっかけはあったんでしょうか?

最初は理由はないと思っていたんですが、もしかしてこうだったのかと思ったことはあります。僕らがオルタナティヴ・ロックに濃厚にハマっていたのは、1998から2000年くらいの頃で。2000年には、ガイナックスの"フリクリ"というアニメーションの音楽を全部ピロウズが担当したんですね。そして昨年16年ぶりに"フリクリ"の続編が作られることが決定して、またピロウズが音楽を作ることになったんです。なので、ツアー中はその話題に触れながら、一番メインだった『Ride on Shooting star』という曲をアンコールでやりました。ただ、2017年末または2018年初頭から北米で放送ということなので、その時点では"2年後か"くらいの気持ちだったと思っていたんです。でも今思えば楽しくツアーしながら曲を作っているときに、"2年後には『フリクリ』の音楽を作ってるんだな"というのが頭のどこかにあったのかなって後から思いました。だからオルタナの曲ばかり作って、それがけっこう気に入って。それをピロウズでやらないで、ソロや他のバンドでやるのはちょっと不自然だなと思いました。気に入ったオルタナティヴ・ロックもたくさんできたし、今は何を封印するとか、どういう方向に行こうというコントロールはもう必要ないなってって思いました。

-ギターの音がとてもオルタナティヴ・ロックらしいなと思いました。今回はギターの音にもこだわりがありそうですね。

そこが一番あるくらいです。一番時間を掛けて、何回もミックスし直しました。読者がまったく興味のないマスタリングという作業があるんですけど(笑)、いつもは専門のマスタリングスタジオに行って、プロフェッショナルのマスタリングエンジニアの方にやってもらって、1回で終わるというのがスタンダードなやり方です。でも今回はそれをやめてマスタリングも自分たちでやりました。僕らはマスタリングに関しては素人なので、1回でうまくいかないんだけど、何せ自分たちでやっているから何回もやり直しました。マスタリングを何回もやり直したのは、20何年バンドをやってきて初めてのことです。でもマスタリングスタジオのとてつもなく高級なスピーカーで爆音で聴かされたら、絶対に良い音なんですよ。そうじゃなくて、家に帰っていつものリファレンスする状態で聴いたら、いろいろ思うことがあって。その細かい微調整を何度も何度もやりました。"これはもう1回こうしたいんだ"って、自分のチームのエンジニアにリクエストしてっていうのを何度も繰り返したので、それが良かった・・・。でもこの話、誰も興味がないですよね(笑)。

-興味がある人もきっといますから(笑)。自分でマスタリングまですることによって、理想の音ができました?

結局それはわからないんですよ。今回は自分たちでやったものしか聴いていないから。去年までやっていただいていた方にもやっていただいて、2種類聴いたらまた違う感想があるんでしょうけど。出すかわからないけど"とりあえずやって"というわけにはいかないですからね。第三者が介入する良さと、自分で徹底的にこだわった良さというのは違うのは知っているんです。今回は自分で徹底的にこだわった良さをやりたかったんですよね。

-では次回もマスタリングは絶対自分たちで! みたいな感じでもないんですね。

 現時点では次回も自分でやりたいとは思ってます。でも2種類聴けるのが一番いいんですよね。もっと言えば、たくさんのマスタリングエンジニアの方がいらっしゃるので、いろんな人のを聴き比べたい(笑)。でもそれだけで多額の費用がかかりますからね。だからそんな日は来ないと思います(笑)。

-それでは、今後のthe pillowsはどんな方向に向かっていくと思われますか?

数年前に僕の中でピロウズはすごく清々しい気分に辿り着いて、もう新曲はなくてもいいと思っているんですね。僕が今までの人生で書いてきた曲をライヴで披露することに追いついていないんです。何百曲もあるから、ツアーをしてもまったく追いつかない。気に入っていてもやれない曲が膨大にあるので新曲はもういらないんです(笑)。でもなくていいってことではない。なくても大丈夫なんだけど、気に入った曲ができたらレコーディングしたくなるし、レコーディングして気に入ったら聴いてもらいたくなる。今回はそういう流れだったので、アルバムを出してツアーをやります。the pillowsも結成して28年。メンバーも上が54になりました。2年後の30周年はやるでしょう。でもその後はわからない。僕らにはザ・ローリング・ストーンズみたいなストイックさがないので(笑)。肉体的にも精神的にも彼らのようにはならないので、もうちょっとふんわりやっていこうと思います。



Now On Sale
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21st Album『NOOK IN THE BRAIN』
【CD+DVD】
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¥3,500(without tax)
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LIVE
2017年03月18日(土)/19日(日) 熊本B.9・V1・V2・V3、Django、ぺいあのPLUS’(HAPPY JACK 2017)
2017年04月16日(日) 梅田 CLUB QUATTRO
2017年04月21日(金) Zepp Sapporo
2017年04月23日(日) EX THEATER ROPPONGI
2017年04月29日(土・祝)30日(日) みちのく公園北地区 エコキャンプみちのく(ARABAKI ROCK FEST.17)

NOOK IN THE BRAIN TOUR
2017年05月05日(金・祝) 高崎 club FLEEZ
2017年05月07日(日) 長野 CLUB JUNK BOX
2017年05月12日(金) 水戸 LIGHT HOUSE
2017年05月14日(日) 渋谷 TSUTAYA O-EAST
2017年05月18日(木) 岐阜 Yanagase Ants
2017年05月20日(土) 岡山 YEBISU YA PRO
2017年05月22日(月) 徳島 club GRINDHOUSE
2017年05月24日(水) 京都 MUSE
2017年05月26日(金) 金沢 EIGHT HALL
2017年05月28日(日) 新潟 LOTS
2017年06月03日(土) 赤坂 BLITZ
2017年06月13日(火) 浜松 窓枠
2017年06月15日(木) 松江 canova
2017年06月17日(土) 広島 CLUB QUATTRO
2017年06月19日(月) 松山 SALON KITTY
2017年06月21日(水) 鹿児島 SR HALL
2017年06月23日(金) 那覇 桜坂 Central
2017年06月25日(日) 福岡 DRUM LOGOS
2016年06月30日(金) 宇都宮 HEAVEN’S ROCK VJ-2
2017年07月02日(日) 仙台 Rensa
2017年07月04日(火) 盛岡 club CHANGE WAVE
2017年07月06日(木) 青森 Quarter
2017年07月08日(土) 旭川 CASINO DRIVE
2017年07月09日(日) 札幌 PENNY LANE24
2017年07月15日(土) 大阪 Namba Hatch
2017年07月17日(月・祝) 名古屋 DIAMOND HALL
2017年07月22日 (土) 東京 Zepp Tokyo



the pillows
ザ・ピロウズ 山中さわお(Vo. & Gt)、真鍋吉明(Gt)、佐藤シンイチロウ(Dr.)1989年結成。1991年、シングル『雨に唄えば』でデビュー。2009年、結成20周年記念日の9月16日に初の武道館ライブを行う。2012年、バンドのメンテナンス&リハビリのために活動を休止。2013年8月より活動を再開する。4月29日、30日、宮城県・みちのく公演北地区 エコキャンプみちのくで開催される『ARABAKI ROCK FEST.17』に出演。5月5日、高崎club FLEEZから『NOOK IN THE BRAIN TOUR』がスタートする。 http://pillows.jp

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