シシド・カフカが語る新作『DO_S』:ドラムとヴォーカルの関係、音楽に還元される芝居

By Mayuko Kumagai
ミニアルバム『DO_S』をリリースしたシシド・カフカ

―女優として強烈なインパクトを残したのは『ファーストクラス』(2014)でしたが、やはり緊張されていたんですか?

緊張というか必死でしたね。"モノ作り"という面では音楽も芝居も同じですけど、作り方の過程や常識にしていることなど何もかも勝手が違う。わからないことしかなかったので、追いついていくのが大変でした。

―全然そうは見えなかったです。

なら、良かったです(笑)。

―『ファーストクラス』を経て得られたことは。

演技は現場でセッションを求められるんだなと思いました。私は自分のセリフを覚えて、相手の動きを想定して、それに対して私はこうするとか何となく決めて現場に行くんですが、相手は全く違う動きをするし、監督さんは急にセリフを足してくることも多く、それをその場でバーッと整理して本番で演技する。そういうふうに芝居を作り出していく緊張感はちょっとセッションに似ています。大切なところ―演技だったらセリフをちゃんと押さえて、後のところをいかに柔らかく準備していって、現場で臨機応変に対応していくか。その当時、セッションをあまりしていなかったというのもあって適応能力がすごく下がっていたんですが、そういう感覚を取り戻し、短時間で鍛えられた感じはありました。その後に、『K5(Kの累乗)』という、いろいろなミュージシャンの方とセッションしたアルバムを出したんですが、まずこちらがドラムの音を作っていって、(斉藤)和義さんや、YO-KINGさんが現場で出してくれたものに対して対応していくという作業をして。『ファーストクラス』の現場でもできたから、このアルバムでもできるなというような感じで繋げられたのは面白かったですね。音楽に返ってくるものを得られていい経験をさせていただきました。

―逆に、音楽をやっていたことで女優としてプラスだったことは?

監督さんからは、オンオフのスイッチの入れ方ができているということと、セリフを話す時のリズムや間合いが自然だったそうで、そこを指摘せずにすんだのは楽だったと言われました。長文のセリフでもリズムによって聞こえ方が変わってきますし、普段絶対に口にしないような難しい言葉を自然に聞かせるのがリズムだったり緩急だったりするので、そういうものは自然に持ちあわせていたようです。歌詞を書いていても、3音を使って、"あ・い・う"と歌ってもいいんですけど、"あ・い"にした方が伝わるよねという考え方をずっとしてきたからかもしれません。ゆっくりと緩急を使ってふわ~っと言った方がより怒っているように聞こえるよねということと同じで、台本を読んだときに、頭の中でそのリズムがパッと思い浮かびます。

―今後も女優のオファーはあるかと思いますが。

お話をいただけるのはもちろん嬉しいことなので、面白いことができたらいいなとは思っています。音楽だけにまみれる日々はそれはそれでいいですが、とは言え、何ごとも音楽とは違う面白さがありますし、人との出会いもありますし。何か興味深いこと・自分の音楽に返ってくるものがありそうだと思ったものがあれば、それに飛びついて楽しめる、そういう精神とかバイタリティは必要だなと常に思っています。もしかしたら演技に限らず、急にダンスに目覚めたりするかもしれないですし―絶対にできないですけど(笑)。




SHISHIDO KAVKA
シシド・カフカ 6月23日、メキシコ生まれ。2012年『愛する覚悟』でCDデビュー。ドラムヴォーカルという独特のスタイルで注目を浴びる。女優・モデルとしても活動しており、主な出演作は、ドラマ『ファーストクラス』(14)や映画『TOO YOUNG TOO DIE! 若くして死ぬ』(16)など。現在、ドラマ『視覚探偵 日暮旅人』(日本テレビ系)に刑事・増子役で出演中。これまで『カフカナイズ』『トリドリ』の2枚のフルアルバムをリリース。
http://www.shishido-kavka.com/

『DO_S』
avex trax
発売中



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