ビートルズの名曲「ア・デイ・イン・ザ・ライフ」知られざる10の真実

3. 目覚まし時計を”演奏”したのはロードマネージャーのマル・エヴァンズ

「スタジオに入った時、”24小節休もう。小節のカウントは、マルにしてもらおう”と僕が提案した」と、マッカートニーは記憶している。レコーディングが始まり、ビートルズはこの小節を何かで埋めようとは思っていたが、ドラマチックなクレッシェンドにしようとは思っていなかった。マッカートニーは、「(24小節は)単なるある一定の時間で、非常にジョン・ケージ的な無作為の小節数だった」と続けたが、実はそれは偶然ではない。何しろこの曲は「ア・デイ・イン・ザ・ライフ」だ。24小節、つまり1日の時間数と同じだ。

「マル・エヴァンズに小節をカウントしてもらった」とジョージ・マーティン。「ピアノの横に立って”ワン・ツー・スリー・フォー”とカウントするマルの声は、今もレコードから聞こえる。それから彼は、冗談で24小節の最後に目覚まし時計が鳴るようにセットしたんだ。その音も聞こえる。消せなかったからそのままにしたんだ!」。目覚まし時計のいたずらは、「偶然性のサウンド」の妙技となりマッカートニーの”woke up, got out of bed(起きなくちゃ、ベッドから飛び起きた)”という場面が始まる完璧なきっかけとして使われた。



4. この曲の3つめのヴァースは、ジョン・レノンが俳優として映画出演したことに触れている

前年の9月、レノンはリチャード・レスター監督の『ジョン・レノンの僕の戦争』に出演し(ロケ中に「ストロベリー・フィールズ・フォーエヴァー」の詞を書き始めていた)、「I saw a film today, oh, boy / The English army had just won the war.(今日は映画を見た、英国軍が戦争で勝利を収める話だ)」という一節を書いた。ビートルズにとって欠かせないアシスタントのニール・アスピナルは、撮影の空き時間にレノンの話し相手をするためスペインに同行した。『サージェント・ペパーズ』時代を象徴する、レノンがかけていた有名な老婆のような眼鏡は、この撮影の時に手に入れたものだ。

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Translated by Rolling Stone Japan

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