官能を刺激する怒涛のミステリー『お嬢さん』:制作の舞台裏をパク・チャヌク監督が語る

By Yasuo Murao
官能を刺激する怒涛のミステリー『お嬢さん』 (C)2016 CJ E&M CORPORATION, MOHO FILM, YONG FILM ALL RIGHTS RESERVED
『オールド・ボーイ』『渇き』など、センセーショナルな作品で注目を集めてきた韓国を代表する監督、パク・チャヌク。

前作『イノセント・ガーデン』でハリウッドに進出した彼が、7年振りに母国で手掛けた新作『お嬢さん』は、サラ・ウォーターズの名作ミステリー『荊の城』を映画化したもの。舞台を1939年の日本統治下の朝鮮に移し、豪邸に住む"お嬢さま"、秀子が受け継ぐ遺産を狙って、彼女の叔父や、詐欺師、メイドが欲望を剥き出しにして騙し合う怒濤のミステリーだ。過激な性描写のため、韓国では成人指定になりながらも観客動員400万人を越える大ヒットを記録した本作。その欲望渦巻く人間模様を通じて浮かび上がってくるものとは何か。パク・チャヌク監督に話を聞いた。

―映画化するにあたって、原作のどんなところに惹かれたのでしょうか。

いろんな理由がありますが、一番大事なのは構成でした。まず、ひとつの事件をひとりの視線で描き、次のチャプターで同じ事件を相手の視線に立って見るという構成です。そういう構成をすることによって、ひとつの出来事に新しい意味を持たせることができることが面白いと思いました。


(C)2016 CJ E&M CORPORATION, MOHO FILM, YONG FILM ALL RIGHTS RESERVED

―監督はこれまでにも、『オールド・ボーイ』『渇き』など原作があるものを映画化していますが、その際に心掛けていることはありますか。

原作があるものを映画化するのは、良い部分と悪い部分があります。まず良いのは、すでに基本的なキャラクターが出来上がっていて、ストーリーラインもあるので白紙からスタートするよりは楽というところです。悪い点は、有名な作品であればあるほど、原作を読んだ人の頭の中に自分なりの映像が出来上がっているので、映画を観た時に"自分が読んだものと違う"と批判されてしまうところですね。観客に"裏切られた"という思いを抱かせない範囲で、自分なりのものを作るというのはほんとに難しいことです。

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