映画『ラ・ラ・ランド』:あなたを虜にする魔法のような現代ミュージカル

ストーンとゴズリングの芝居は、とにかく"素晴らしい"の一語に尽きる。フレッド・アステアとジンジャー・ロジャースのようにミュージカル全盛期に生まれたわけではないが、二人は"直感的"とも言える芝居で、ミアとセブの軽やかなパフォーマンスを、生き生きと感動的に演じている。彼らはあなたの心を鷲掴みにするだろう。

『きみに読む物語』『ラースと、その彼女』『ブルーバレンタイン』『ドライヴ』など、多様な作品でさまざまな表情を見せてきたゴズリングを見ていると、彼に不可能な役はないような気さえしてくる。そしてこの作品で、私のその思いは確信に変わった。ストーンも然りだ。本作のミアは彼女のキャリアを決定づける役であり、ストーンはこの役に彼女の持ちうる全てを注ぎ、それをいとも簡単にこなしているかのように見せてしまうのだ。中でも、彼女が最後に歌う悲哀に満ちた一曲『オーディション(ザ・フールズ・フー・ドリーム)』は、拍手喝采に値する名演技である。

アカデミーは、ストーン、ゴズリング、チャゼル、そしてこの素晴らしい作品に、敬愛を込めてオスカーを贈るべきだ。この完璧な映画『ラ・ラ・ランド』にはその価値がある。この作品は、ユーモア、失恋、魅惑的なラブロマンスに満ちた夢の世界にあなたを誘うだろう。紛れもなく、今年を代表する一本である。


『ラ・ラ・ランド』
監督:デイミアン・チャゼル
出演:ライアン・ゴズリング、エマ・ストーン、ジョン・レジェンド、ソノヤ・ミズノ、J・K・シモンズ
2月24日(金)より、TOHOシネマズみゆき座他全国ロードショー。
http://gaga.ne.jp/lalaland/

Translation by Sahoko Yamazaki

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