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映画『ラ・ラ・ランド』:あなたを虜にする魔法のような現代ミュージカル

監督:デイミアン・チャゼル | 出演:ライアン・ゴズリング、エマ・ストーン、ジョン・レジェンド、ソノヤ・ミズノ、J・K・シモンズ / 配給:ギャガ/ポニーキャニオン

Peter Travers | 2017/02/23 18:00

| ライアン・ゴズリングとエマ・ストーンが"天使の街"で歌って踊る、今年を代表する一本『ラ・ラ・ランド』。(C) 2017 Summit Entertainment, LLC. All Rights Reserved. Photo credit: EW0001: Sebastian (Ryan Gosling) and Mia (Emma Stone) in LA LA LAND. Photo courtesy of Lionsgate. |

今年を代表する一本は、ライアン・ゴズリングとエマ・ストーンが"天使の街"で歌って踊る『ラ・ラ・ランド』。

最近の若者が見るミュージカルと言えば、せいぜいビヨンセが歌って踊るオールド・スクールのMVくらいで、若者ウケする長編ミュージカル映画を成功させるのは至難の業ではないだろうか。疑わしい。

21世紀現在、若干31歳の新鋭デイミアン・チャゼル(『セッション』)による傑作『ラ・ラ・ランド』は、ちょっとした衝撃である。このラブストーリーにはブロードウェイのような"あざとさ"のかけらもないし、劇中の歌や踊りはあくまで感情を表すための唯一の手段で、それ以外に感情を表現する方法がないから彼らは歌って踊るのだ。あなたはチャゼルの想像力に心踊らせ、恋人役のエマ・ストーンとライアン・ゴズリングの素晴らしいパフォーマンスに心奪われることだろう。ましてや単純なハッピー・エンドなどではなく、映画が"魔法を取り戻す瞬間"に興奮せずにはいられないだろう。今年はあなたの"良心"を試すような映画(『Fences(原題)』『沈黙 サイレンス』『The Birth of a Nation(原題)』)、またはあなたの心に深く突き刺さるような映画(『マンチェスター・バイ・ザ・シー』『ムーンライト』『ラビング 愛という名前のふたり』)など、素晴らしいが重々しい空気の作品が多い。そんな中、映画『ラ・ラ・ランド』が突出している理由は、本作が映画というものへの情熱と可能性に満ち、全てのフレームが光り輝いているからに他ならない。


(C) 2017 Summit Entertainment, LLC. All Rights Reserved.
Photo credit: EW0001: Sebastian (Ryan Gosling) and Mia (Emma Stone) in LA LA LAND. Photo courtesy of Lionsgate.

ぶっきらぼうな言い方をすれば、現代ハリウッドのおとぎ話は革新的とは言えないだろう。いや、しかし結論を急ぐのはよくない。エマ・ストーン演じるミア・ドーランは女優の卵で、ワーナー・ブラザースのカフェでバリスタをやりながら、いつか誰かに見出され、最近のアメコミ映画なんかではなく、今では誰も書かないような古き良き娯楽映画でスターになることを夢見ている。ライアン・ゴズリング演じる売れないジャズピアニストのセバスチャン・ワイルダーは、いつかジャズが全盛を取り戻した時、自分の好きな音楽だけを気が済むまで演奏できるジャズクラブをオープンさせることを夢見ている。そんなちょっとレトロな男女二人が、ロサンゼルスの渋滞したフリーウェイで出会い、いがみ合いながらすれ違う。
Translation by Sahoko Yamazaki

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