ART-SCHOOL木下理樹の独自表現:「最も弱い人を守る受け皿ような存在でありたい」

By Joe Yokomizo
Photo by YUSUKE YAMATANI
日本のオルタナロックを牽引し続けるバンド、ART-SCHOOLが1月25日にリリースしたB SIDES BESTアルバム『Cemetery Gates』は、ある意味ART-SCHOOLの表現の本質が如実に表れた作品だと思う。

年代順に収録されている18曲は、どれもBサイド曲とは思えないほどに美しいメロディーなのだが、歌詞は相反して暗く重たいものが多い。それがアンバランスな魅力を生み出しているのも確かだが、そういった一般的に敬遠されがちな暗さや重たさを表現しつづけるのはなぜなのか。フロントマンの木下理樹に、理想とする表現の形や歌詞の書き方について話を聞きながら、その奥にあるバンドの核の部分を探ってみた。

―先月リリースされたB SIDES BESTを聴かせてもらったのですが、Bサイド集とは言い難い、隠れた名曲の宝庫ですよね。セルフライナーノーツの中でも自虐的に"カップリングの方が圧倒的に支持が高いなんて、誰か教えてくれないか理由を(笑) "なんて書かれていましたけど、そもそもなぜBサイド集を出そうと?

最近弾き語りのオファーが増えてきて、そこでマニアックな曲をオファーされることが多いんですよ。バンドとしてのライヴでも"あの曲やらないんですか?"と言われるのはそういう曲だったりして、みんなが聴きたいのは定番曲だけではないんだなと思ったんですよね。それに、前から隠れ名曲が多いみたいなことは結構言われていたし、新しいモードに切り替わる前に一度まとめておきたくて。

―今、バンドとして新しいモードに突入しつつあるんですか?

そうですね。

―それはどんな?

2つくらいあるんですけど、例えばOGRE YOU ASSHOLEのようなミニマム・メロウ・サイケみたいなのが個人的にすごく好きなのでそっちの方向にいくか、もしくはガレージ・ロックの方に振り切っちゃうとか。いずれにせよ、B SIDES BESTを出したことによって次はこうしようというのが見えるようになりました。

―1つの決着点としてのアルバムという感じですか?

決着点というより、未来に向かうために見つめ直すということかな。で、見つめ直してみたら、暗い、重い印象だったんですよね。自分で聴いても"こんなに重かったのか"と思うくらい。メロディー自体はポップに作ってあるけど、詞と曲が混ざったときに、すごいディストピア感があるなーって。これこそがART-SCHOOLじゃないの、と言ってくれる人もいるんですけど。

―その暗い、重いというのはどこから来ているんですか?

僕の当時の心境じゃないですかね。

―具体的にいうと?

僕らは2002年にメジャーデビューしたんですが、だんだん人気が上がっていくのと反比例するかのようにメンバーの仲がギクシャクし始めて・・・。で、一回バラバラになって2004年から新しいメンバーでART-SCHOOL第2期が始まるんですが、その時期の重さ、暗さというのが反映されているというか。

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