AAA西島隆弘が語るデビュー11年の光と影:「続けられたのは"救い"があったから」

By RollingStone Japan 編集部 2017/月号 P132〜137 |
Photograph by Chito Yoshida(AVGVST)

―今まで西島さんがやっていたことは、自分が抱えている闇や穴を埋めるための作業だったのかもしれないけど、蜷川さんが言ったのは"その闇を使いなさい"ってことですよね。その自分が今まで開きたくなかったものを開けた後の、自分がだだ漏れになった状態っていうのはどうでした? 

自分がだだ漏れしている意識はないので......。でも、だだ漏れがいい演技だと評価されているなら、リスクがありますよね。

Photograph by Chito Yoshida(AVGVST)

―それはあるよね。

要は体力の消費スピードが速すぎるじゃないですか。超越したところにいっちゃうと、その瞬間は気持ちいいけど、舞台が終わった後も戻ってこられない。でもそれは、蜷川さんの世界のなかで自分がだだ漏れているっていうことなので......。蜷川さんや園 子温さんみたいに、自分を料理してくれる人と一緒にやるエンタテインメントも平行してやっていきたいですけどね。新たな自分を出してくれる人ってまわりにたくさんいるだろうし......いや、たくさんはいないだろうな(笑)。

―そうですよね(笑)。

数少ないだろうから、その人たちに選ばれたらもちろんうれしいですし。

―じゃあ、だだ漏れな感じの表現は、あまり自分からしていこうとは思わない?

自分がやるエンタテインメントの表現で、自分で自分の中身を曝け出すような作業は24時間では足りないと思うんですよ。ちゃんとビジネスとしても考えたうえで、自分が与えられた時間のなかでできるエンタテインメントを探して表現していきたいんです。だから、安全地帯にはあまりいたくはないですね。

―短い時間話しただけだけど、安全地帯にはいないんだろうなっていうのはすごく感じました(笑)。ちなみに、先日11年目で初のドーム公演を終えたばかりですよね。ライヴに臨むにあたり、特別な気持ちはありました?

それが意外となくて(笑)。たぶんデビューをして2〜3年くらいでドームをやっていたら違ったんでしょうけど。11年という年月を経て、ライヴハウスからホール、ホールからアリーナ、アリーナからドームへって段階を踏んでここまで来れたから、自分たちを支持してくれている人がいることをちゃんと感じられる状況でステージに上がれたので。2〜3年で一気に5万人のお客さんを集められるようになって、"今の自分たちがどこにいるのかわからなかった"みたいな話も聞くので、ある意味、ちゃんと地に足が着いているんじゃないかなって。それは、さっき言ったフラストレーションの話に繋がるんですけど。

―どういう意味ですか?

地に足を着いている分、空を飛べないと思うからもどかしいんです。僕は空を飛んでいる人たちを見ちゃっているから。"この人たちは翼を持ってるんだな"って。その歯がゆさもあったが故に、ドームに立てたことの喜びは意外となくて。ある意味、俺は汚れているんだろうな(笑)。ピュアに喜べるのは、本当に今まで応援してきてくれた人に対して"一緒にドームっていう景色を見ることができましたね。ここまでついてきてくれて本当にありがとうございます"って思うところですね。

―そう思えるっていうことは、ぜんぜん汚れてないと思いますよ。

でも、汚れたって自分で思えるということは、たぶんピュアなんだと思うんです(笑)。僕は汚れたなっていう認識が自分のなかであって、それを受け入れることができているので。昔は受け入れられなかったですけどね。だから、ちゃんとほどよくオッサンになってるんだなって思いますね(笑)。


ローリングストーン日本版 VOL.111 2017年WINTER 掲載
http://www.rollingstonejapan.com/magazines/detail/24934



Nissy
西島隆弘 1986年、北海道生まれ。2005年、AAAのメインヴォーカルとしてデビュー。2009年に『愛のむきだし』で初の映画出演・主演を果たし、キネマ旬報ベスト・テン新人男優賞、毎日映画コンクールスポニチグランプリ新人賞を受賞する。2012年、唐十郎が自身の生まれ育った下谷万年町を舞台に描き、蜷川幸雄が演出し再演した舞台『下谷万年町物語』に出演。2016年1月期 フジテレビ月9ドラマ「いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう」に出演。2013年8月Nissyの名義でソロとして初めてのMV『どうしようか』を公開。2016年9〜10月にソロ初にして大阪城ホール2Days・国立代々木第一体育館2Days『Nissy Entertainment 1st LIVE』を敢行し、2017年1月21、22日には追加公演も行った。



Interview by Joe Yokomizo, Text by Nanako Kubo(RSJ), Styling by Sachi Miyauchi(Seif), Hair and Make-up by Kohei Nakajima(UNVICOUS)

RECOMMENDED

TREND