AAA西島隆弘が語るデビュー11年の光と影:「続けられたのは"救い"があったから」

By RollingStone Japan 編集部 2017/月号 P132〜137 |
Photograph by Chito Yoshida(AVGVST)

―蜷川さんの言い方をお借りすれば、西島さんは"その年齢にしては、すごく傷つきながら生きてきた"わけじゃないですか。ただ、人間って、傷つけば傷つくほど、他人にいじわるになったり自暴自棄になったりする人と、優しくなれる人がいるでしょ。そこで、西島さんは優しくなれたというか、赦せたのはなぜだったんですか? 

自分がやってきたこと、思っていたことが間違ってないと認めてもらえたからじゃないですかね。それは蜷川さんの言葉だったり、園 子温さんの言葉だったり。そういう救いがあったからだと思います。僕は、自分ではあまりアーティスティックな意味での自我がないと思っているんです。だから、今までやってきたことが良かったのか悪かったのか、間違っていたのか正しかったのか、わからなくて。......正しいっていう言い方も少しおかしいですよね、答えがないから。以前、園 子温さんが"お前が感覚でやっているものは基本的に全部間違っていないから、そのままやっていけ"って言ってくれたことがあったんですよ。そう言ってくれる人がいると安心しますよね。


Photograph by Chito Yoshida(AVGVST)

―それはすげえわかります。

今まで散々泥水を飲んできたし、何でこんなことをやらなきゃいけないんだろう?って思うような不条理なことがたくさんあった。それがいいことなのか悪いことなのかもわからなかったし、よくないことだと思いながらやっている自分がかわいそうだとも思ったし、"自分のためになるから"って周りから言われても、自分ではそう思えなかったし。そういうゴチャゴチャした感じをずっと背負ったまま仕事をしてきているので、"間違っていない。そのままで大丈夫だよ"って言ってくれたのが本当にありがたくて。そういう救いがなかったら、おかしなことになっていたかもしれない。

―精神的に潰れていたかもしれない?

そうですね。しかも、蜷川さんも、園 子温さんも、エンタテインメントの世界ですごく成功されている方じゃないですか。そういう方に言われると、本当に救われますよね。10年間一緒にいてもわかってくれない人もいるのに、たった1カ月くらいの稽古ですべて蜷川さんに言い当てられたのは、すごい衝撃でしたし。"この人は、どれだけ人を見てきたんだろう?"って。本当に隠していた部分を見透かされたんですよ。自分では出しているつもりなんてないけれど、芝居に出ていたみたいで。しかも、そういうことを芝居の話の流れで言うんですよ。"芝居を通したうえで君をどんどん知りたいから、もっといろんなものを見せてくれ"って言われた時に、これがプロフェッショナルなんだなって思いましたね。
Interview by Joe Yokomizo, Text by Nanako Kubo(RSJ), Styling by Sachi Miyauchi(Seif), Hair and Make-up by Kohei Nakajima(UNVICOUS)

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