新生ロマンポルノ:園子温が女の裸を消費する日本を皮肉った『ANTIPORNO』

By RollingStone Japan 編集部
園子温が女の裸を消費する日本を皮肉った『ANTIPORNO』。(C)2016日活
鬼才・園子温が、女の裸を消費する日本を揶揄し、閉塞した社会に怒りをぶつけた『ANTIPORNO』。

小説家兼アーティストとして時代の寵児となった女が、極彩色の部屋にこもり、虚構と現実の狭間でもがき苦しむ姿を、詩的な台詞と独特のムードで描き出した『ANTIPORNO』。

主演を務めたのは、「園子温の作品のためなら脱ぐ」とヌードもいとわず難役に挑んだ新進女優の冨手麻妙。常に表現の壁に挑戦し続ける園監督が、ミューズ・冨手と、新生ロマンポルノに込めた怒りと女性論を語る。

—まずは園監督、「ロマンポルノはいやだ」と言い続けていたのに、今回なぜ撮られたのでしょう?

園監督:懐古主義で映画を撮るのは嫌だったんですよ。僕も見てはいたけど、そこに懐古趣味はなくて。日活ロマンポルノのリバイバルというノスタルジックに興味がなかったんですよ。なので、「そもそもポルノ映画って何なの? 今撮る意味がわからない」ってお断りしたんですが、「アンチポルノならいいけどね」ってポロっと言ったら、「それでもいい」と言われたんで、「それならやろうか」って話になったんです。

要は、女の裸を消費する映画じゃないものを作りたかったんです。この映画に出てくる女の裸は、酔っ払って裸で寝て、朝起きただけの裸とか、セックスシーンも服を着てたりフェイクだったり。"裸自体はポルノではない"という考え方でこの映画を撮ったんですよ。

—『新宿スワンII』と公開時期が重なりましたが、同一人物が撮ったとは思えない映画ですよね(笑)。

園監督:そこが面白いじゃないですか(笑)。僕は画家でも、到底同じ人が描いたとは思えないような絵を描く画家が好きなんです。『新宿スワンII』は設計図を渡された大工さんが作った映画で、全く自分の感情を取り入れないで作品を作るとどういう結果を生むのかという、僕なりの実験でもあったんです。

—冨手さんは『新宿スワン』のちょい役から始まり、次第に役が大きくなっていき、ついに念願の主役を果たしましたね。園監督との出会いとは?

冨手:もともと園さんの大ファンで、一緒に仕事がしたかったんです。でもなかなか機会がなくて、それなら自分から行かなきゃと思い、渋谷で園さんがトークショーをやっていた時に出待ちして、そこが初めての出会いでした。

でも、私がどんな芝居をするのか園さんは見たことがなかったので、「とりあえず『新宿スワン』でお手並み拝見だ」と呼んで頂きました。そこから『リアル鬼ごっこ』、『Love of Love』、『みんな!エスパーだよ!』などに出演させて頂けて。園さんの作品で主演をやる事がずっと目標でしたし、初めて脱ぐときは園子温監督と決めていました。今回『ANTIPORNO』でそれが叶って本当にうれしかったです。

—冨手さんが園作品に惹かれたきっかけとは?

冨手:きっかけは『自殺サークル』ですね。当時、あんなに勢いのある激しい映画を初めて見たので、とにかく衝撃でした。そこで園子温と言う存在を知って、女優をやっていく中で、絶対一緒に仕事したいと思いました。
Interview by Sahoko Yamazaki (RSJ)

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