ホリエアツシ インタヴュー後編:entの音楽を構成するための"ELEMENT(要素)"とは

By Joe Yokomizo
ストレイテナーのホリエアツシ(Vo. & Gt.)のソロプロジェクト"ent"が1月11日、3rdアルバム『ELEMENT』をリリース

―詞でいうと、4曲目の『Healer』も気になりました。曲はアッパーですが、たった1行、"Healer,I hope you will kill me"という言葉があるだけで。

『Healer』は風刺とかではなく、究極に癒されるためにはもう殺してもらうしかない、みたいな。それをひたすらループしています(笑)。

―ドMというか、かなり変態度が高いなぁと(笑)。

でも、一度は考えることじゃないですか? 疲れた時に"あーもう死にたい"とか。軽く言ったらそういうことです。

―ACIDMAN・大木伸夫的な死に対する深い考察ではなく?

そういう深い考察ではなく(笑)、どうしてもこの世界から逃げたいという時のエスケープですね。ポジティヴに次の世界に行きたいということでもなくて。

―この世界からのエスケープの手段として"狂いたい"というのはわかるけど"Kill me"というのは意外で、ヤラれました。

しかも、Healer=医者に対して"kill me"ですからね(笑)。



―そう言えば、先日オランダのアルコール中毒患者の安楽死のニュースに触れて、思いのほか動揺してしまって。死という言葉自体には、もはや特別な恐怖がないくらい麻痺しているんですが、最後に両親と食事をして白ワインを飲んだ後に、横たわって安楽死の注射してもらったという・・・。ホリエさんは安楽死って、どう思います?

僕は、安楽死はあっていいと思います。

―死刑は?

死刑は、難しいですね・・・。何とも言えない。死ぬ方が楽じゃんと思う犯罪者もいるわけだし、死ぬくらいじゃ償えないような罪もあるわけで。そういうことまで考えると、難しい。

―ついついディープな話題に行ってしまいましたが、曲の話に戻ります。『素子 -Soshi-』のような、言葉を入れないインストというのは最初からの案ですか?

そうですね。

―なぜ、この曲に『素子 -Soshi-』というタイトルを?

"素子"ってつまり"ELEMENT"ですよね。アルバムタイトルにもなっている言葉ですが、意味としては、そもそも今回のアルバムはテーマや音楽性として統一されたイメージはなく、5年間で作り溜めた、自分の中で普遍的に好きなものが自然に形となった曲ばかりで、その1個1個が自分の音楽のELEMENTであるという。中でもこの『素子 -Soshi-』は、リズムもつけずにピアノの鳴りのセンスだけという結構振り切った曲なんですけど、こんな曲は自分にしか作れないと思うし、自分のセンスの結晶みたいな感じがして気に入っているんですよね。実はこの曲って、もともとはSISEっていうブランドのWebサイトのBGMとして作ったものだったんですよ。そのブランドがこれから海外進出するということだったので、敢えて日本的な旋律を入れてみたんです。デザイナー自身は、日本独自の繊維業の伝統的な技法にはそこまで興味がなさそうなんですけど、でも、そこで逆にイタズラ心で和の旋律を入れているという、その感じも含めて気に入っているので、アルバムのタイトルチューンにしてもいいかなと。

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