ホリエアツシ インタヴュー前編:バンド"ストレイテナー"とソロプロジェクト"ent"の相違性

By Joe Yokomizo
ソロプロジェクト"ent"として、1月11日に5年ぶりの3rdアルバム『ELEMENT』をリリースするホリエアツシ

―でも、そもそもCD自体が売れない時代なわけで、こういうアート性、抽象性が高い音楽は正直もっと売れないんじゃないかと思ってしまいます。

どうでしょうねえ。分り易いものしか売れない反動というか、逆の現象が振り子の原理でいつか来るかもしれないし、もっとわかり易いものしか売れない国になっていくのかもしれないし。

―そこに対して、ホリエさんは自分の役割をどんなふうに考えています?

ゴッチなんかとは、"まだ俺たちの世代はラッキーだった"ってよく話すんですよ。俺らの世代は今よりまだ恵まれていて、ちゃんとかっこいいと思うことをがむしゃらにやっていれば、それが誰かの目に耳に止まって評価されて広がっていった。口コミとかそういうものが信じられていた時代だったので、アーティスト自身が策略的にならなくても芽が出たんですよね。今の世の中では、同じようにはいかなくなってしまったけど。でも、日本もそろそろまたそっちの波が来てもいいんじゃないかと思っているんですよ。何年か前のアメリカのインディーズシーンでMGMTのようなすごい連中がわさわさ出てきて、1回転グルン! ってシーンがひっくり返ったようなムーヴメントがありましたよね。日本も、あんな感じにならないかなぁって。あの時、メジャー・シーンを完全に食ってましたからね。

―2010年前後、NYのブルックリンからVampire Weekend、Battles、Animal Collectiveといった連中が出てきて、チャートやライヴ・シーンを席巻したムーヴメントですね。

ええ。日本もそういうことにならないこともないかなぁと思うんです。でも、最近聞いた話だと、日本をあきらめて海外に行っちゃう若いバンド、ミュージシャンが多いらしく。鋭い人たちは活動の拠点を海外に移しちゃうんですよ。そういう流れはちょっと止めたいですよね。もっと日本を活気づけて欲しいし、若者たちに"こっちの方がかっこいいんだぜ"と気づかせて欲しい。僕としては、その1つの勇気みたいなものをentの音楽で与えられたなと思っています。

―確かに、"あきらめない"って大事ですよね。

結構あきらめてるっぽいんですよ。かっこいいバンドがいて、最近聴かなくなったなと思ったら、イギリスに移住してた、とか。

―ホリエさんは海外に行こうとは思わないんですか?

僕は全然ないですね。

―なぜ?

なぜでしょうね。英語が得意じゃないというのはあるんですけども、そもそも海外で勝負したいとは最初から思っていないというか。1stアルバムの時にアメリカのレーベルn5MDからリリースしたいというオファーが来て、好きなアーティストにリミックスしてもらってUS盤をリリースしたんですよ。"ライヴしに来ない?"という話もあったんですけど、全然心踊らなくて。バンドもやっているので、独断で海外に何週間とか行ける状態ではなかったというのも大きいけど。とはいえ、音源だけ出したところでなかなか広がらないじゃないですか。

―アメリカで成功するための絶対的な条件は、こまめにライヴをすることですからね。

1回行っただけじゃ全然意味ないよって、よく言われます。

―じゃあ、しばらくは日本勝負ですか?

まずは、そうですね。

後編へつづく





2017.01.11 RELEASE
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3rdAlbum『ELEMENT』
2,800yen+tax
初回盤デジパックTYCT-69108

LIVE
2017.03.08(Wed)
新代田FEVER
OPEN 18:00 / START 19:00
WITH フルカワユタカ
http://tsutaya.jp/jyunfudo-vol1/



ent
エント 2009年に始動したストレイテナーのホリエアツシ(Vo.&Gt.)によるソロプロジェクト。1stアルバム『Welcome Stranger』をインディー・レーベルよりリリース、アメリカのエレクトロニカ・レーベルn5MDからも同作のUS盤がリリースされる。その後、ent名義で映画の劇中音楽や舞台作品のテーマ曲、ファッションショーへの楽曲提供など、型にはまらない音楽活動が話題を呼ぶ。2012年に2ndアルバム『Entish』をリリースした際に東名阪でライヴツアーを敢行。2017年1月11日、5年ぶりとなる3rdアルバム『ELEMENT』がリリースされる。
http://entjp.net/

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