マリリン・マンソン『アンチクライスト・スーパースター』:衝撃的な10の逸話

9.バックステージにおけるマンソンの退廃的なライフスタイルはよく知られているが、『アンチクライスト・スーパースター』制作時、ドラッグの影響下にあったマンソンがトイレで経験した出来事は、自身にその淫らな欲望のルーツを悟らせた。

『The Long Hard Load Out Of Hell』でも語られているが、マンソンと当時の彼女であるミッシがニューオーリンズのバーThe Hideoutを訪れた際、彼はその前の夏に一夜を共にした女性に遭遇する。(彼はその夜の出来事を「リベラーチェのディスコパーティ」になぞらえている)泥酔したマンソンがトイレに入った際、その女性はドアの隙間から中に入り込み、ピアスをつけたクリトリスを見せつけた。

「舐めるべきか指を入れるべきか、それともヤるべきか、どうしていいかわからなかった」マンソンはそう綴っている。その女性はサンドイッチ用の袋から取り出したコカインをトイレのタンクの上に広げ、ハイになった2人はキスし始めた。「俺はズボンを半分降ろした状態で、彼女は俺の萎えたペニスを露わにした。もしも彼女にバレたらと考えはしなかった。なぜなら俺は死ぬほどションベンがしたかったからだ。その匂いしかしなかったのは、おそらく俺がそれを口にしていたからだろう。それでも俺はまだションベンがしたくてたまらなかった」

彼はこう続けている。「彼女のパンティーを脱がせ、クリトリスについたリングのピアスを強く引っ張っると、彼女は悲鳴をあげた。痛がっているのか喜んでいるのか、俺には分からなかった。俺は親指をプッシーに入れ、曲げた中指を肛門に挿入した。『俺は何をやってるんだ?』そう思った。彼女をその気にさせたいわけでも、特にヤりたいわけでもなかった。ただ自分を汚したかった俺にとって、その状況は持ってこいだった。指を突っ込んだのがゴミ箱であっても、同じ快感を得られたはずなのに」

彼がトイレから出てきた時、そこにミッシの姿はなかった。

10.1996年のハロウィンに行われる予定だったショーを前に、当日のステージでマンソンが自殺するという噂が流れた

「俺は確信している / 自殺に痛みが伴わないことを」マンソンはかつて『MASHマッシュ』の主題歌のカヴァーでそう歌っている。しかし1996年のハロウィンにニュージャージー州アスベリ・パークのコンベンション・センターで開催されたショー以降、90年代を代表するショック・ロッカーのマンソンは自殺という言葉を口にしなくなる。当日、会場には開演前から不穏な空気が流れていた。MTVによるとライブ会場が偽の爆破予告を受け、開場前に爆発物探知犬を連れた警察が捜査に入る事態となったという。

『The Long Hard Load Out Of Hell』のツアーダイアリーの部分で、マンソンは自殺の噂についてこう触れている。「俺のほとんどは去年死んだ。殺す部分はもうほとんど残っていない」

※関連記事:マリリン・マンソン、この上なく衝撃的な瞬間11選


Translation by Masaaki Yoshida

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