劇団唐組・紅テントが伝えるもの:テント設営密着レポート

By Joe Yokomizo
2016.10.25 雑司が谷・鬼子母神の境内にて
唐十郎作った劇団「劇団唐組」は、神社やお寺の境内に、"紅テント"と呼ばれるテントを張り芝居を続けている。弊誌シニア・ライターのジョー横溝が、そのテント設営の現場を訪れた。そのテントが伝えるものは何か。

劇団唐組。その名前を見れば、おわかりの方にはおわかりだろう。唐十郎が1988年に状況劇場を解散して作った劇団だ。唐は2012年に脳挫傷の大ケガを負って以来リハビリ中で、現在、芝居の現場でお見かけすることはないが、彼が現役だった頃と同じように、劇団唐組は今も神社やお寺の境内に、"紅テント"と呼ばれるテントを張り芝居を続けている。

人間の肉体こそが試される演劇界でも、今やテクノロジーを駆使した演出は当り前の時代になりつつある。そんな時代においても、唐組はテントでの芝居にこだわっている。

それ故に、そこにしかない何かが存在している。その"何か"を少しでも言葉にしたく、テント設営の現場にお邪魔させてもらった。

集合時間は朝の9時。
場所は雑司が谷・鬼(正式にはツノのつかない鬼の字)子母神の境内。
が、不覚にも朝が弱い筆者が鬼子母神に到着したのは10時。
既に、テントシートが敷地に広げられて、作業は始まっていた。

null基礎となる6本のポールが組みあがったテント

テント張りは、劇団員全員による作業で、関係者を含め20人ほどが集まっている。この時、唐組は『夜壺(やつぼ)』を2016年秋で公演し、前週にお茶の水・明治大学での公演を観たのだが、主役を演じる気田睦(36歳)もベテラン看板俳優・辻孝彦(51歳)も若手同様にテント張りを行う。というより、テント張りのボスは、唐十郎に代わり劇団を牽引する久保井研(54歳)自身だ。その久保井の号令でテント張りの作業は滞りなくどんどん進んでいく。

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