I.W.G.Pのモデルとなった、HIP HOPアーティストHOKTが語る壮絶の半生(前編)

By Joe Yokomizo
HIP HOPアーティストHOKTが語る壮絶の半生(前編)

―17歳の終わりに東京進出だ。

原宿ピンクドラゴンで、昼間はショップスタッフとして働き、夜はローディーですよね。楽器を積んでるトラックの荷台に乗せられ、楽器を抑え、会場ではセッティングするところから始まる。当時、ピンクドラゴンの会社はレストランも相当経営していたんですけど、数百人近くいる社員の中で15人くらいだけが、キャットストリートにある、ピンクドラゴンのショップスタッフになれるんですよ。スタッフ=プロのバンドでデビューすることが出来るかもしれない。ブラック・キャッツやMAGICも、元はショップスタッフで、"あの店に行ったらバンドのメンバーがいる"っていう。カリスマ店員というブランディングを最初にやったのが、ピンクドラゴンだったんです。90年代初頭の修学旅行生はみんなあの店にこぞって並び、クリームソーダの財布買って、櫛を買って・・・ポマードを買う。毎日オープン前には長蛇の列。ショップに立ってるのがアーティストへの道だったし、お客さんから芸能人みたいな扱いをされるので花形だった。実際、沢山のアーティストや芸能人も来てたので、東京すげー! みたいな毎日。

僕は18歳で正社員になりました。全寮制だったんですが、まぁイジメられましたね(笑)。俺はけっこう突っ張ってたし、"先輩、違うんじゃないですか? こっちの方が効率いいですよ"とか言っちゃう生意気なガキだったんで、もう格好の的ですよね。毎日叱られる。それでも反抗するので、次はいじめられる。顔や見えるところは殴られないですよね。俺もショップのスタッフだったんで、アザがあると社長にバレちゃうから。昼飯3分とかは当たり前ね。隣の弁当屋に買いに行ったらもう3分過ぎてる(笑)。食べる時間はない(笑)。その時の店長には、いいだけやられたよー。今考えると俺がバカだったなと思いますよ。本当に生意気だったと思うので(笑)。


ピンクドラゴン時代

でも有難いことに磨かれましたね。いろんなことが沢山磨かれた。
そんな俺が辛い時に相談に乗ってくれて、優しくしてくれる先輩が3人だけいて。そのうちの1人、全身エド・ハーディのタトゥが入った先輩がいて。ある日の夜、落ち込んだ俺は先輩の家に行って、"店長との事が辛くって"って、相談したんです。その時、先輩はエディ・コクランのレコードをかけてた。リビングのTVではMTVが流れててさ。その時にN.W.A.の映像がMTVから流れてきた。俺が今まで見た事ない衝撃的なHIP HOPのミュージック・ビデオ。

北海道にいる時に話は戻るんだけど、バンドの先輩方は毎日のLIFEもロカビリーだったから、車は55年のキャデラック、57年のベルエアとか常に50年代のアメ車に乗って週末を楽しんでいた。10数台のアメ車でクルージングして、音楽を聴いて、ナンパして、港に行ったり。10代の俺はいつもドキドキしてた。
その中に1人だけ、64年のインパラを持ってる先輩がいたわけですよ。"なんだ、あの板チョコみてぇな車は?(笑)ダッセー!"って俺は当時バカにしてた。なんでいつもケツが下がってるんだろう? って。でも、N.W.A.のミュージック・ビデオを見てたら、そのダサいと思ってたインパラが、ガッチャンガッチャン、バウンドしているわけですよ。で、"Fuck the police!! "って?なんなんだこれは? と・・・そこでダサいと思ってたものが、一気にカッコいいものに変わったんです。あの先輩のアメ車はLOWRIDERって言うんだってのも、そこで知った(笑)。

―そうだったんですね。

アメ車好きの俺は止まらなくなった。ハイドロが付いた、あのインパラに乗りたい! 嫌いだったHIP HOPが一気にかっこよく見えてきた。ピンクドラゴンでバンドやれないならロカビリーバンドに対しての夢より、LOWRIDERに乗って東京や横浜を流してみたいなー! LAの音楽をウーハーでブンブン鳴らして聴いてみたいっていうほうに心が移っていったんです。毎日大変でしたから、現実から逃げたかったのかもしれませんね(笑)。
"なんでやめるんだ?""LOWRIDERが欲しいから""えー? HIP HOP? アメ車が欲しい!?""はい! だから辞めます!"みたいな(笑)。とんでもないガキでした。

次回は、年明け1月2日に掲載予定。



HOKT

ホクト◯北海道生まれ。17歳の時に上京し、原宿の伝説のロカビリーショップ「ピンクドラゴン」にて数多くの経験を積み、その中でアメリカ西海岸カルチャーに目覚める。その後、"エリア"を池袋へと移し、壮絶なギャングスタライフを過ごす(TBS系ドラマ『池袋ウエストゲートパーク』のキングのモデルとなる)。帰郷後、札幌を拠点にN.C.B.B(当時は NORTH COAST BAD BOYZ)を結成。2003年、仲間と共に立ち上げたレーベル”DIG DA GOOD IMC”より、マキシシングル『BACK IN DA 2DAY』でソロデビュー。2016年10月21日、アルバム『G in RHYMES Season 2』を発表する。
http://www.digdagood.com/artists/hokt/


G in RHYMES Season 2
Village Again association DIG DA GOOD I.M.C
発売中

DIG DA GOOD INC presents 『"WINTER VIBES”"HOKT "G in rhymes season2”"release party』
2017年1月29日(日)北海道・札幌 KING XMHU
開場 16:00/開演 17:30/終演 21:00 予定


二度目はない feat. LIL'J
2016年のハイライトとなった、7thアルバム「G in RHYMES SEASON2」!!
その楽曲の中でも人気の高い傑作「二度目はない」が待望のシングルカット決定!!
2017年1月27日より、一斉デジタル配信スタート!
※iTunes store、De-luxe、レコチョク他、各配信サイトにて販売

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