ザ・ローリング・ストーンズ、80年代の人気ソング・ベスト10

ローリング・ストーンズ、80年代の人気ソング・ベスト10(Photo by Richard E. Aaron/Redferns)

80年代のザ・ローリング・ストーンズのお気に入りソングは?『エモーショナル・レスキュー』、『友を待つ』、『氷のように』を抑えてトップ1になった曲とは?US版ローリングストーン誌の読者投票結果を公開。 

しばらく低迷が続いたザ・ローリング・ストーンズは、1978年のアルバム『女たち(原題:Some Girls)』の大ヒットで商業的なカムバックを果たし、その勢いのまま80年代に突入した。1980年リリースのアルバム『エモーショナル・レスキュー(原題:Emotional Rescue)』でもバンドは、ダンスミュージックを採り入れた実験的な試みを続けた。翌1981年のアルバム『刺青の男(原題:Tattoo You)』からシングルカットした『スタート・ミー・アップ(原題:Start Me Up)』はラジオを席巻し、世間に衝撃を与えた。その後バンドは世界規模のスタジアムツアーを行ったが、ツアー終了後、バンド内の関係悪化によってそれから7年間ロードに出ることはなかった。しかしその間もメンバーは音楽を作り続けた。US版ローリングストーン誌の読者投票により、80年代ストーンズのお気に入りの曲ベスト10を選んだ。

10位 『オールモスト・ヒア・ユー・サイ(原題:Almost Hear You Sigh)』


1988年、ローリング・ストーンズは解散の危機に直面していた。ミック・ジャガーは直前の2枚のアルバム制作にほとんど参加せず、ソロ・プロジェクトの立ち上げに時間を割いていた。そんな状況の中、ジャガーがジョー・サトリアーニをギターに迎えてソロ・ツアーを敢行し、しかもセットリストのほとんどがストーンズの曲で埋められていたこともキース・リチャーズを激怒させた。1988年まで待ち続けたキースもついに痺れを切らし、長年の友人でもあるドラマーのスティーヴ・ジョーダンと共に初のソロ・アルバムを制作した。2人の作った曲の中でも逸品は、キース自身が"『ビースト・オブ・バーデン』のいとこ"と呼ぶ『オールモスト・ヒア・ユー・サイ(原題:Almost Hear You Sigh)』だ。1989年後半にミックがメンバーに歩み寄り、新たなアルバム制作に取り掛かろうという時、キースが埋もれていたこの曲を引っ張り出し、他のメンバーが味付けをした。その結果、美しくセンシティヴなバラードができあがり、スティール・ホイールズ・ツアーにおけるハイライトのひとつとなった。ただ、それ以来この曲はライヴで演奏されていない。

9位 『ハング・ファイヤー(原題:Hang Fire)』


ストーンズがアルバム『女たち』の制作を開始した1977年、イギリスの経済は悲惨な状況に陥っていた。この環境がセックス・ピストルズに『ゴッド・セイヴ・ザ・クイーン(God Save the Queen)』を作らせ、普段は政治に無関心なストーンズでさえも『ハング・ファイヤー』を書いた。「何も食うものがない/働く場所もない/酒もなければ/着るものもない」とジャガーが歌う。アルバム『女たち』に収録できなかった素晴らしい曲が多くあり、『ハング・ファイヤー』もそのうちの1曲だった。この曲は3年後のアルバム『刺青の男』に収録され、サード・シングルとして世の中に流れた。バンドはプロモーション・ビデオも制作したが、撮影には少なくとも45分はかかったはずである。この曲が最後に演奏されたのは1982年だった。

Translation by Smokva Tokyo

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