ローリングストーン誌が選ぶ、2016年の最悪な映画トップ10

By Peter Travers
ピーター・トラヴァースが今年の最悪最低な映画を厳選してお届けする

4位『Allied/マリアンヌ』

共演するスターの相性が悪いと、その映画の良さが死んでしまうことがある。ロバート・ゼメキス監督は、この第二次大戦下のラブストーリーを、現代のカサブランカに仕立てたかったが、最初から躓いている。イギリスの軍事作戦に関与するブラッド・ピットが、スパイ疑惑が持たれるマリオン・コティヤールと激しい恋に落ちる。二人のベッドシーンは実に濃厚で、汗でグジョグジョになった靴下のようだった。(最低ロマンス映画ランキングの候補、SF映画『パッセンジャー』では、主演するジェニファー・ローレンスとクリス・プラットが宇宙の彼方で二人きりになるというストーリーであるにもかかわらず、性欲がまったく湧いていなかった。)

3位 『Collateral Beauty/素晴らしきかな、人生』

冒頭からラストまで、あまりにも酷すぎて、なぜ俳優は「こんなセリフはあり得ない。こんなセリフは言いたくない」と叫んで抵抗しないのか、不思議に思うような映画がある。この映画がまさにそれだ。ウィル・スミスが、愛、死、時間などの抽象概念を書き連ねることによって娘の死を悲しむ父親を演じる、『タイタニック』級のお涙頂戴映画だ。スミスと、共演するケイト・ウィンスレット、キーラ・ナイトレイ、エドワード・ノートン、ヘレン・ミレンが、アラン・ローブ脚本のセリフによくも窒息しなかったものだと、不思議に思われる。筆者は本作を見ている最中、映画の神様にこんな願いをメールで送りたくなった。「この映画を止めて。」

2位『Warcraft/ウォークラフト』

故デヴィッド・ボウイの息子、ダンカン・ジョーンズと、監督作品『月に囚われた男』や『ミッション:8ミニッツ』を支えた撮影のエキスパートが、既に賢くも止めてしまっている人も多いコンピュータゲームの、救いようがない映画化を果たしてしまった。映画『アバター』が構築したデジタル映像の残り物のような世界の覇権をかけて、人間とオークとの争いを描いている。オーク族の首長、デュロタンを演じるのはトビー・ケべル。侵略する理由を、吹き替えでこう話している。「我々の世界は死んでいた。」気付くのが遅い。この映画の公開時には、この手の映画の旬はとうに過ぎている。

1位『Suicide Squad/スーサイド・スクワッド』

多くの映画ファンが期待しているように、ハリウッドがいつかアメコミ出版社DCコミックスの超悪役スターを一挙に集めて一本の映画に出演させ、クリストファー・ノーランの『Dark Knight Trilogy/ダークナイト(バットマン)三部作』のような深く、暗く、魅惑的な映画を作ってくれるのではないかと期待していた。絶対イケると思ったのだ。甘かった。期待外れもいいところだ。監督と脚本を務めたデヴィッド・エアーは、過去の作品『End of Watch/エンド・オブ・ウォッチ』、『Fury/フューリー』などの実績でお馴染みだろうが、今回は注目作品を作るにあたり、PG-13指定の毒のない大衆に大胆な前提を押し付けた。出演は、冗談好きなデッド・ショットにウィル・スミス、まったく怖くないキラークロックにアドウェール・アキノエ=アグバエ、あまり存在感がなかったジョーカーにジャレッド・レト、キレキレの精神科医、ハーレイ・クインを演じたマーゴット・ロビーは、原作の悪玉感をうまく表現している。手っ取り早く金を稼ぎたいと、皮肉にも、映画から魂を抜き去っている映画産業の自傷的トレンドを見たいと思うなら、123分間だらだらと続く一本調子のこの失敗作こそが、その神髄と言えよう。


Translation by Kyoko Kawamae

TOPICS

RECOMMENDED