ローリングストーン誌が選ぶ、2016年の最悪な映画トップ10

By Peter Travers
ピーター・トラヴァースが今年の最悪最低な映画を厳選してお届けする

9位『Allegiant/アレジアント』

ヤングアダルト向けベストセラー小説を題材としたシリーズもので、終盤に近付くほど明らかに消耗していく映画を見たことがあるだろうか?3部作小説『ダイバージェント』シリーズの最終章を映画化した『アレジアント』が、このケースに当てはまる。金の亡者となった映画制作会社が、3作目を2作品に分割したのだ。制作会社は『最終章後編:アセンダント』と呼んでいる。しかし映画館で見られると思わないで欲しい。『アレジアント』の興行成績が絶望的に悪く、映画会社は、後編をテレビで放映することも検討しているのだ。どうしてくれるのだ。ふざけるな。

8位『American Pastoral/アメリカン・パストラル』

この映画は、インディーズ映画の方が、型にはまったハリウッド超大作よりも好きという読者にお勧めしたい。オーケー。筆者も、そう思う。しかしインディーズ映画がすべて同じとは限らない。あふれる大志が失敗に終わることだってある。例えば、現代アメリカ文学を代表する作家フィリップ・ロスがピューリッツァー賞を受賞した小説を映画化したユアン・マクレガーの初監督作品は、悲惨な結果に終わっている。第2次大戦後のアメリカから、1969年代の過激主義による動揺を描いた、フィリップ・ロスの神話のような語り口は、よくあるお涙頂戴調にすり替わっていた。まったくいただけない。

7位『Alice Through the Looking Glass/アリス・イン・ワンダーランド-時間の旅-』

2010年の『Alice in Wonderland/アリス・イン・ワンダーランド』で、ティム・バートンは、独特の視覚効果で注目を集めた。しかし奇抜な映像の魔術師はこの続編には参加せず、ジェームズ・ボビンが監督を務めた。バートンは、独特のスタイルと渦動を持つアーティストであり、ルイス・キャロルの物語に鮮やかな生命力を与えた。しかしボビンは、前任者のようなヴィジョンがなく、キャンディをたらふく食べてしまった子どもがスクリーンの端から端まで吐き散らしたかのような色彩センスだった。可愛らしいとは言えない。

6位『Independence Day: Resurgenc/インデペンデンス・デイ:リサージェンス』

1996年の『Independence Day/インディペンデンス・デイ』は、世界中の有名な場所が宇宙人に破壊されるといった刺激的効果や、主役のパイロットを演じたウィル・スミスが良かったと、誰もが思っているだろう。スミスは賢くも、期待と新鮮さを与えるため、この遅すぎた続編を逃れている(しかし、このランキングの別の場所に登場してしまう)。インディペンデンス・デイならではの特殊効果は、すべてが焼き直しで、ただスクリーンに並べただけだった。オリジナルと同じ場面が続き、退屈そのものだった。「もう家には帰れない」って?この映画は、一作目の念押しに過ぎない。

5位『Inferno/インフェルノ』

象徴学を研究するハーバード大学のロバート・ラングドン教授が主人公の、読み始めたら止まらないダン・ブラウンのベストセラー小説を、監督のロン・ハワードと、俳優のトム・ハンクスは何故か、凡庸なミステリー映画にしてしまう。2006年の『The Da Vinci Code/ダ・ヴィンチ・コード』、2009年の『Angels & Demons/天使と悪魔』は活気がなく、セックスもなく、色彩も何もない駄作だったが、興行成績はよかった。今回は客入りが芳しくない。観客もわかってきたのだ。そんな頃合いだ。
Translation by Kyoko Kawamae

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