CDレヴュー|『POWER OF WARRIOR』:クラシカルなのに古くない、鮮烈なメタルサウンド

アーマード・ドーン | / EFP Producoes Artisticas e Fonograficas Eirelli
By Mio Shinozaki
音楽が進化してゆくと、誰しも先端へと向かってしまう。しかしブラジルのヘヴィメタルバンド、アーマード・ドーンは原点に回帰しているかのようだ。

体の奥に響く、濃厚なメロディの威圧感。うなるように低く、咆えるように猛るヴォーカルのエドワルド・パラスの声。最新アルバム『POWER OF WARRIOR』は、 重く突き進むヘヴィメタルの真髄を行く作品だが、決して古くない。今の時代だからこそできる、クラシカルなメタルなのだ。

1曲目『Viking Soul』のイントロから、彼らの世界へといざなってくれる。不安をかき立てる幕開けは、まるで暗い海を進んでいる気分になる。そこに飛び込んでくる、ジェット機のようなギターソロ。そしてエドワルドの歌声が響き出すと、我々はアーマード・ドーンと同じ景色を見ながら、このアルバムを聴くことになるのだ。表題曲の『POWER OF WARRIOR』は、中世の戦いを模しているかのようなサウンド。日常を綴るありがちなポップソングとは違う、音と歌詞と声で確立された世界観がここにある。

原点を辿りながらも、ヘヴィメタルを敬遠してきた層に受け入れられそうな1枚となっているのは、エドワルドが幼少時から習ってきたピアノで作曲することも大きいのだろう。テクニックに偏りすぎず、旋律が美しい。しかし厚みのある音には、本物感を感じる。"音楽生活に刺激がほしい"という人には、うってつけのアルバムだ。もちろん、メタルファンの期待にも応える作品と言える。

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