『君の名は。』中国で好調なスタート 外国映画上映は9割が米映画

By Ito Wagatsuma
(C)2016「君の名は。」製作委員会
興行収入が200億円を突破した大ヒット上映中の『君の名は。』が中国全土で公開さ3日間の興行収入は2.8億元(約42億5500万円)に達した。

大ヒット上映中の『君の名は。』の興行収入が200億円を突破し、まだまだ好調を維持する中、12月2日には中国全土での公開が始まった。中国メディアによると、公開3日間での興行収入は2.8億元(約42億5500万円)に達し、5日までの4日間で3億元(約55億6000万円)を越え、公開から3日間での日本映画興行収入では昨年の『ドラえもん』を抜き歴代1位となった。

中国語名は、『你的名字。』。上演時間は、日本と同じ107分となっており、下着が見えるシーンや神社を説明するシーンも含め中国では珍しくノートカット上映されている。中国では、実際には政治的な理由でカットされるシーンも多いが、青少年への教育上の配慮という理由で暴力やエロティックなシーンなどをカットすることがある。事前情報では、字幕版と吹替版の両方を制作しているとされていたが、現時点では字幕版しか上映されていない。

映画を見た中国人は、「出会いや命の大切さ、生きていくことについて考えさせられた」「登場する背景、風景が素晴らしい。日本で"聖地巡礼"が流行ったのは分かる。私も行きたい」「現実とSFが融合しているのでストーリーに飛躍や矛盾を感じた」「長澤まさみさんの声がいい」などの感想が聞かれた。

なかには「話題になっていたから見に来た」という人もおり、中国よりも香港や台湾で先に公開されたため、公開前から中国でも話題になっていたという影響も見られた。一般的な中国人は、日本人というよりも"世界的な人気"や"話題"、"世界"と名がつくものに弱く、"世界92の国と地域での上映"という触れ込みも中国人の好奇心に火がついたと思われる。

昨年5月、日本映画では3年ぶりに上映された『STAND BY ME ドラえもん』が1か月間の上映期間で興行収入5.3億元(当時のレートで約106億円)に達したが、中国では外国映画は許可制となっており上映本数が制限されている。

1994年までは公開が禁止されていた外国映画を年間上映数10本まで解禁し、許可制とした。アメリカは早くから中国市場の将来性に目をつけており、2009年にWTOへ外国映画の上映許可数を増やすよう提訴した。その結果、中国は、外国映画の上映本数を年間34本へと増加させ、現在に至るのだが、その影響もあり、中国で1年間に上映される外国映画34本のうち約9割がアメリカ映画となっている。しかし、合作映画は国産映画扱いされるため制限はない。そのため、近年は中国市場を意識した外国と中国との合作映画が急増している。また、中国の映画上映期間は平均1か月間となっており、入れ替わりが激しい。

今年は邦画の当たり年と言われるが、アメリカ映画に押される中国市場で、今後も『君の名は。』に続く日本映画は登場するのか。
Edit by Rolling Stone Japan

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