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非合法化から50年 LSDの今:サイケデリック・ルネサンスはLSDをどう変えたのか

Jesse Jarnow | 2016/11/25 18:30

| (Photo by mark peterson/Corbis via Getty Images) |


LSD容認の風潮が「サイケデリック・クローゼット」から新たな世代のユーザーを誕生させた

LSD使用者による"#psychedelicsbecause"というハッシュタグ等を使ったキャンペーンが世界的に広まった。限られた文字数のソーシャルメディア上から"Drug War"の文字が消えて行くと同時に、LSD使用者は自らの実験的な試みや経験について発言し、人生をいかにポジティブなものに変えてくれたかを語るようになった。(LSD使用者も保護対象とされている)アイデンティティ・ポリティクスの方法論を自分に都合のいいように引用してゆるやかなコミュニティを組織し、通常は常識はずれとされる行動を一般化するという共通のミッションをシェアしている。

LSD使用者による新たなコミュニティの結成

ソーシャルメディア世代はまた、医療規制、民間医療、経験談の共有、治験などLSDのさまざまな利用を支持するグループやコミュニティを組織している。政策に影響を与え、プロのLSDセラピストのネットワークを形成し、世界中のフェスティバルにリスク回避のためのサービスを提供する前出のMAPSは、これらコミュニティのモデルとなったであろう。LSD関連のゆるやなかコミュニティは、よく「MeetUp.com」などのサイトを利用して組織されている。

一方で使用量は減少

ここ数十年間、LSDの摂取量は減少している。60年代の「神の量」と呼ばれる250マイクログラムから、80年代初めには100マイクログラム程度に抑えられた摂取量が定着した。この5年間は、LSD研究のブームを作ったジェームズ・ファディマンの提唱する"マイクロドーシング"が支持されている。ファディマンは、「10マイクログラムのLSDを専門的な方法で慎重に自己管理しながら数日おきに摂取することで健康増進に貢献する」と主張している。この理論には科学的根拠が示されておらず、実際に何名が実験したかという公式な数字も明らかにされていないものの、"マイクロドーシング"という誘惑的な名称とコンセプトがひとり歩きしている。

テクノロジーがLSDを進化させる、或いは退化させる

アップル社の創業者スティーブ・ジョブズがLSDの使用を「とても深い経験で、人生の中でも最重要なもののひとつ」と表現したため、数え切れないほど多くのIT企業の社員たちもそれにならった。IT革命がサイケデリック・シーンを変革したのも決して不思議なことではない。2011年の初めに立ち上がった「Silk Road」は、初のメジャーな違法ドラッグ取引の闇サイトだった。入手困難なLSDを含むドラッグ取引が仮想通貨ビットコインをメジャーにし、ドラッグが再びインターネット上で影響力を持つようになった。


世界初のメジャーな違法ドラッグ取引の闇サイト「Silk Road」

フェスティバルやコンサート会場に代わり、購入者にとってより安全なドラッグ取引の場として闇サイトが台頭してきた。売り手側も、暴力的な事件に巻き込まれる危険性が減ったと思われる。「ダークネット・マーケット・アベンジャーズ」などのグループが、さまざまなルートで入手可能なドラッグの品質をテストし、まるでレストランやエンターテインメントのレヴューサイト「Yelp」のように各ドラッグを評価しリスク回避の情報を提供している。このため、買い手は以前よりもLSDに関する知識を入手しやすくなっている。2013年、FBIによる強制捜査後に「Silk Road」は閉鎖に追い込まれたが、その後も多くの類似サイトが出現している。
Translation by Smokva Tokyo

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