『ウォーキング・デッド』生みの親ロバート・カークマン、インタヴュー:「モンスターは実在する。それは人間。」

By David Fear
『ウォーキング・デッド』のコミック原作者であり、ドラマ版ではエグゼクティヴ・プロデューサーを務めるロバート・カークマン (C)Rainer Hosch
『ウォーキング・デッド』のコミック原作者であり、ドラマ版ではエグゼクティヴ・プロデューサーを務めるロバート・カークマンが、成功、賛否両論のシーズン6の最終回、そして、実際に目撃した悪魔祓いが最新プロジェクトのアイデアを生んだ経緯を語る。

ロサンゼルスのカルバーシティーを車で訪れ、ファーストフード店とタトゥースタジオを通り過ぎると、脇道にひっそりと佇む得体のしれないビルが視界に入ってくる。4階に上がると、居心地の良さそうなオフィスがあり、中には大きなアイスラテを片手に会話に興じている人達の姿が見え、そして、オフィスの受付けにはビジネス誌「ファスト・カンパニー」が置かれている。キッチンカウンターのコーヒーマシンの隣に置かれた一部が腐敗した死体を除けば、文明の終焉が毎日ここで詳細に計画されているとは思えないはずだ。

この腐敗した胴体(バイシクル・ガールという洗礼名を持つ)は、特殊メイク・アーティストのグレゴリー・ニコテロ監督と特殊撮影チームから、足を引きずるように歩き、うめき声をあげ、常に空腹のゾンビを次から次へと考案する男に贈られたものだ。その男とは、ロバート・カークマンである。

ケンタッキー州出身のコミックブック・ライターであり、AMCで大ヒットを記録したテレビ番組『ウォーキング・デッド』でエグゼクティヴ・プロデューサーを務めるカークマンは、地味なモノトーンのコミックのページを"終わることのないゾンビ映像作品"の大作へと変貌させた。この番組は、ロサンゼルスを舞台としたスピンオフ作品『フィアー・ザ・ウォーキング・デッド』だけでなく、本編直後にエピソードに関する議論が行われる人気トークショー番組『トーキング・デッド』を生み出した。主要なキャラクターが死亡する度に(頻度は割と高い)Twitterは事実上炎上する。2016年3月に155巻が出版されたコミック版は、世界で5000万冊が売れ、30の言語に翻訳されている。コスプレーヤー達はイベントで『ウォーキング・デッド』のヒーローや敵になりきり、また、あるコミコンではカークマンのゾンビに扮したコスプレーヤーも現れたという。

そんなカークマンが経営する会社、スカイバウンド・エンターテイメントのオフィスからは『フィアー・ザ・ウォーキング・デッド』の中で世界滅亡後の炎に飲み込まれた街を見晴らすことができる。オフィス内の会議室に腰を下ろしたカークマンは、丸刈りに顎ヒゲを蓄えた風貌で満面の笑みを浮かべ、その表情からは暖かさと若干の慎重さが伺える。「前回のやつと同じように"太っている"って書くつもりかい?」カークマンは、自分を『ザ・シンプソンズ』のキャラクター、コミックブック・ガイと比較していた2013年のローリングストーン誌の特集に触れ、冗談を飛ばした。

現在、カークマンは、別のコミック作品の超自然現象スリラー『アウトキャスト』をケーブルTVでドラマ化しており、ゾンビ革命を起こした『ウォーキング・デッド』のように、この作品によって悪霊が一大ブームを起こすことを期待している。ストーリーは、小さな町で悪霊の伝染に立ち向かう、虐待を受けた過去を持つ男を中心に動いていく。宗教的なホラーと片田舎ならではの恐怖感が入り混じっており──『エクソシスト』が画家のグラント・ウッドの代表作『アメリカン・ゴシック』に出会ったような作品に仕上がっている(6月3日にCinemaxで初回が放送された)。
Transkation by Kensaku Onishi

TOPICS

RECOMMENDED