岩田剛典が語る、自身のルーツ、『HiGH&LOW』撮影秘話

By Joe Yokomizo 2016/月号 P14〜17 |
Photographs by KEI OGATA (N°2)
一流企業の内定を蹴って三代目J Soul Brothersに入り、EXILEに加入、そしてドラマや映画での活躍は、もはや説明もいらないだろう。その経緯だけをとっても、個性的なEXILE TRIBEのメンバーのなかでも特に異彩をはなつ岩田剛典。そんな岩田が語る、自身のルーツを始め、"コブラ"での壮絶なアクションシーンの撮影秘話、『HiGH&LOW』の背景にある物語とカルチャーの考察とは。

※インタヴューは2016年6月に実施

―『HiGH&LOW』には、90年代ヒップ・カルチャーが背景に垣間見えますが、リアルタイムじゃないですよね?

そうですね。とはいえ、兄の影響で、僕が小学生の時、90年代後半くらいからヒップホップは聴いていたんです。兄がアメリカに留学していて、日本に帰るたびに当時のビルボードチャート・トップ10のCDを買って来ていたので。

―最初にガツンとやられたアーティスト・曲は?

アウトキャストの『B.O.B』だったかな。あとは、兄が買ってきてくれたエミネムの『ザ・マーシャル・マザーズ・LP』(2000年)。"これ、日本ではまだ知られていないけど、絶対に流行ると思うよ"って言われたんです。3年後くらいにエミネムが流行って、"すげーな、兄貴!"って(笑)。あの世代の曲を聴くと今でもアガりますね。

―2000年だと小5でしょ? それでヒップ・ホップって凄いなぁ。

単純に憧れですよ。バスケをやってたから、NBAの流れでファッションも含めたブラック・カルチャーに興味を持ったんです。

―日本人とブラック・カルチャーの精神性って、ぜんぜん違うと思うんですが、そこで距離を感じたりは?

確かに、信仰する宗教から違いますし、ライフスタイルも違いますよね。当時は、単純に表面に対する憧れでした。大学に入って、奥へいきましたね。

―奥に入って触れたブラック・カルチャーの精神性を言葉にすると?

もともとブラック・カルチャーが好きだったから、大学でアメリカ文化を勉強したんです。50年代のブルースやジャズといった黒人文化、その後のヒップホップ、60年代の白人カルチャーであるロックって、白人か黒人かという差はあっても、人種問題に繋がりますよね。そのなかで僕の心を捉えたのは、反骨精神ですね。ロックもヒップホップもブルースも、そういうところから来たという歴史と深みが魅力になっているのかな、と。

―その精神性を日本で謳うのはかなり難しいですよね。戦後の日本は、基本右肩上がりで来た。要は、差別も反骨精神も、表面的にはある種無縁な社会だったわけで。

つまり、ほとんどの日本人がそこまで掘り下げて音楽を聴いていないということだと思います。だから成立しているとも思いますし。だって、真剣に掘り下げるとなれば、教会に行くべきだし・・・ってなりますよね。だから、そういう部分じゃないと思うんです。僕はそれでもいいと思いますし。

―でも、その精神性も伝えたくなりません?

僕自身もそうだったので、知れば知るほど、掘り下げたくなるとは思います。ただ、そこを自分のアーティスト活動で、押し付けようと思ってはいないですね。表面上でいいと思うし、EXILE TRIBEも ルーツはブラック・カルチャーにあって、そこへの憧れから始まったけれど、今の日本のミュージックシーンのなかで、自分たちがどうフィットしていくのかを考えながら形を変えてきて、今はエンタテインメントに寄っていっているし、音楽だけじゃないところに派生していると思います。
Styling by Yasuhiro Watanabe(W), Hair & Make-up by Chie (H.M.C)

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