映画『溺れるナイフ』原作者 ジョージ朝倉インタヴュー:「毒にも薬にもなる作品にしたかった」

By RollingStone Japan 編集部
(C) ジョージ朝倉/講談社 (C) 2016「溺れるナイフ」製作委員会

―それは、漫画家冥利に尽きますね。今回のキャスティングに関してはどうでしょうか。最初のオファーがあった時点ですでに決まっていたんですか?

まだはっきり決まってはいなかったけど、小松菜奈さんと菅田将暉さんを含めて何人か候補が挙げられていました。中でも小松さんに関しては、当時CMで田舎に引っ越してきた女の子を演じていて、それが夏芽っぽいとネットで話題になっていたらしいんです。さらにファンの方から送られてきた"もし『溺れるナイフ』が実写化するとしたら"というメールにも小松さんの画像が貼られていたのを思い出して、私としても小松さんならいいんじゃないかな、と思いました。菅田さんに関しては、もともと子供と一緒に仮面ライダーを見ていたので"あ、フィリップくんだ!"と(笑)。で、正式にキャスティングが決まってから菅田さんが出演されている作品をいろいろ見てみたら本当に素晴らしい俳優さんで、むしろ"いいんですか!?"という感じでした。

―2人が演じる夏芽とコウはいかがでしたか?

違和感無かったです。"夏芽はこんなことしないよ!"とは思わなかったし。どこかで映画は映画と思って見ているところがあるので、原作と比べてどうだとは思わなかったですね。

―まったく別の物語みたいな?

すごく乖離しているという意味ではなく、別次元の作品というような。映画と漫画ではそもそも表現方法が違いますし、原作をそのままなぞってもしょうがないじゃないですか。今回の映画は監督の頭の中にある"『溺れるナイフ』2時間版"という別の作品を見せてもらえた感じで、それは私の中にある『溺れるナイフ』と違っていて当たり前なんです。


(C) ジョージ朝倉/講談社 (C) 2016「溺れるナイフ」製作委員会

―なるほど。では、その監督の作り出す"『溺れるナイフ』2時間版"を見た感想は?


エネルギーがすごかった。漫画では夏芽とコウの衝動みたいなものを描いていたつもりなんですけど、それと画面から滲み出る謎の熱量がとてもフィットしているなと思いました。きっとこの先監督が上手くなればなるほど、今のような熱量は出ないと思うんですよね。その"熱量"って"粗さ"とも繋がっているものだと思うので、今撮ってもらえて本当によかったなと思います。ちなみに、出来るなら毎年撮りたいと言ってくださっているので、それが実現するなら3年後くらいにいろいろと得た後の山戸監督が撮ったものも見てみたいですね。

―『溺れるナイフ』を毎年?

そうなんですよ。キャストも変えて、まったく別の切り口でやってみたいと。今年の『溺れるナイフ』は・・・ってワインみたいですよね(笑)。

―ボジョレー的な(笑)。きっと、それだけ原作に多角的な魅力があるということでしょうね。その原作の内容についても少し伺いたいのですが、全17巻というのは、ご自身としても最長になりますよね。

そうですね。
Text by Rika Suzuki (RSJ)

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