UFC史上もっとも残酷な圧勝劇10選

By Mike Bohn
ブラック・レスナーがフランク・ミアを叩きのめす(Photo by Jon Kopaloff/Getty Images)


(Photo by Josh Hedges/Zuffa LLC/Zuffa LLC via Getty Images)

フォレスト・ペッツ vs. サム・モーガン、UFCファイトナイト 6

どちらも有名選手ではないのだが、2006年8月に開催されたUFCファイトナイト 6でフォレスト・ペッツがサム・モーガンを下した一戦は、10年以上立ってもいまだにUFCレコードに燦然(さんぜん)と輝く特別な圧倒劇である。

このウェルター級3回戦には、UFC史上の最多ノックダウンが記録されている。15分間の試合で、ペッツがモーガンをなんと5度キャンヴァスには這(は)わせたのだ。試合は普通、そこまでは続かないものだ。対戦相手を数回、フィニッシュ寸前まで追い詰めれば、そこからはノックアウトやサブミッションで勝ってしまうことが多いからだ。ところがペッツは仕留めることができなかったため、モーガンをこんな不名誉な状況に繰り返し強いたのだった。

めげないペッツは強気を崩さず、タイムアップするまでモーガンへの攻撃を止めなかった。判定結果には歴史的な大差がついた。2人のジャッジが30対26、30対27をつけたところ、もう1人のジャッジがペッツにUFC史上初めて、30対23というスコアをつけたのだった。



ジョルジュ・サンピエール vs. マット・ヒューズ、UFC 65

UFCレジェンド、フランス系カナダ人ジョルジュ・サンピエールのお披露目(ひろめ)は2006年11月に開催されたUFC 65のことだった。サンピエールは、UFCホール・オブ・フェイマーにして、彼の生涯のライバルでもあるマット・ヒューズを圧倒、第2ラウンドにテクニカル・ノックアウト勝ちを収め、UFCウェルター級チャンピオンシップを獲得したのである。

この試合は、当時サンピエールの唯一の黒星となった試合の再戦だった。その2年前、UFC 50で行われた最初の対決では、まだ若くて未熟だった"ラッシュ"ことサンピエールを、ヒューズが第1ラウンド残り1秒で退けたのだった。再戦が実現する頃までにサンピエールはファイターとして大きく成長、この試合ではまさに次世代のファイター登場を見せつける戦いぶりを見せた。

サンピエールは実に簡単にヒューズを退けた。サンピエールが打撃とテイクダウンを正確かつタイムリーに混ぜてヒューズを執拗(しつよう)に攻め立てると、チャンピオンにはもはや、若くて強くて運動能力の高いこの相手に対応する術はなかった。サンピエールは、後に史上最高のファイターとなるにふさわしい特質を垣間見せつつ、第2ラウンド、完璧なハイキックでヒューズをダウンさせると、グラウンドで強烈なエルボーの雨を降らせ、試合を無慈悲にフィニッシュさせるという一方的な試合運びを見せつけたのだった。



アンデウソン・シウバ vs. リッチ・フランクリン、UFC 64とUFC 77

アンデウソン・シウバとの初対決以前は、高校の数学教師転じてMMAファイターとなったリッチ・フランクリンは、UFCの看板選手の1人であった。フランクリンはスマートで、話もうまく、ルックスもよく、間違いなく世界最高のミドル級ファイターの1人だったのだ。しかしそれも、アンデウソン・シウバという男がやって来るまでの話だった。

それまでのキャリアのほとんどをブラジル、日本、イギリスで戦ってきた"ザ・スパイダー"は、2006年初め、ついにUFCに登場する。オクタゴン・デビュー戦でクリス・レーベンを49秒で退けた後、2006年10月のUFC 64で、シウバは当時の王者フランクリンへの挑戦権を与えられた。

シウバの歴史を知る者なら、その驚くべき打撃力や、破壊的なフィニッシュ力をよくわかっている。しかしフランクリンはそのことを身をもって学ぶことになった。わずか3分足らずのシウバの徹底的な虐殺劇で、フランクリンはタイトルを奪い取られ、鼻を潰されたのだ。

試合が始まるとすぐにシウバがフランクリンをムエタイ・クリンチに捕らえる。ここからはやりたい放題だった。フランクリンはこのポジションでどのように身を守るのか、さっぱり手掛かりがつかめなかった。シウバはフランクリンのボディにヒザ蹴りの連打を浴びせ、あっという間にフランクリンを追い詰める。数発のヒザ蹴りでボディを痛めつけられたフランクリンがボディを守ろうとしたところ、今度はシウバが2階へのヒザ蹴りを繰り出すと、これがフランクリンの顔面を直撃、フランクリンの鼻はみっともないほどに砕け散ったのだった。

鼻が粉々に砕けると、フランクリンはキャンヴァスに身を沈めた。そこから、その後7年間、10連続防衛となるシウバの185パウンド級での長期政権が始まったのである。シウバは1年後の2007年10月、UFC 77でのリマッチでフランクリンを再び下す。あたかも前回の作業を再開するかのように、2試合目にしてフランクリンの鼻を2度目の破壊、第2ラウンドのテクニカル・ノックアウト勝ちを収めたのだった。
Translation by Kuniaki Takahashi

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