UFC史上もっとも残酷な圧勝劇10選

By Mike Bohn
ブラック・レスナーがフランク・ミアを叩きのめす(Photo by Jon Kopaloff/Getty Images)


(Photo by Al Bello/Zuffa LLC/Zuffa LLC via Getty Images)

ジョン・ジョーンズ vs. マウリシオ・フア、UFC 128

初めてオクタゴンに足を踏み入れた瞬間から、ジョン・ジョーンズは未来のUFCチャンピオンだとして喧伝(けんでん)されていた。ジョーンズにとって初のタイトル戦が、ケガで欠場した選手の代役として、わずか5週間前のオファーで実現するとは誰も思わなかったが、"ボーンズ"は才気あふれる試合ぶりでしっかりと期待に応えてくれたのだった。

2011年3月のUFC 128で、ジョーンズはレジェンド・ファイターのマウリシオ・フアが持つライトヘヴィ級のベルトに挑戦、これまでもこれ以降も誰もやったことがないようなやり方で、ブラジル人のフアを打ちのめしたのだった。開始早々ジョーンズは、完璧な跳びヒザ蹴りをチャンピオンのアゴにヒットさせ、この試合の様相を決定づける。そこから試合はまるで、ライオンがエサを弄んでいるような展開となった。

ダメージを負いながらも戦い続けるフアの能力は本物だが、神童ジョーンズの前にはなすすべがなかった。ジョーンズは回転系の打撃、テイクダウン、グラウンドでの裏拳など、思いつくありとあらゆる技を繰り出し、最後は第4ラウンド、ボディへの左フックと頭部へのヒザ蹴りのコンビネーションでフアをキャンヴァスに沈めた。ここからMMA史上に残る、もっとも才能豊か(かつ自滅的)なアスリートの王者ロードが幕を開けたのだった。



ブロック・レスナー vs. フランク・ミア、UFC 100での2戦目

ブロック・レスナーのUFC戦績は両手で指折り数えられるほどしかないが、中2009年7月開催のUFC 100のメインイヴェントで行われたフランク・ミアとの2戦目はおそらく、試合開始から終了まで、彼にとって最上のパフォーマンスだった。レスナーがこの試合で、誰もが認めるUFCヘヴィ級チャンピオンになったことを思えばなおさらだ。

WWEスーパースターとして名を挙げたレスナーは2008年にMMA転向を決意、MMA戦績わずか1試合でUFCと契約した。前代未聞の契約ではあったが、レスナーは最初から、最高レベルの試合を求めた。彼の願いはかなえられ、UFCデビュー戦として2008年2月のUFC 81で、元ヘヴィ級チャンピオン、ミアとの試合が組まれたのだった。

レスナーは開始早々強さを見せ、ミアをテイクダウンするとパウンドを浴びせた。しかしレスナーに反則の打撃があったとしてレフリーがスタンドから試合を再開させると、その機を捕らえたミアがレスナーの足を取り、この経験不足な対戦相手を第1ラウンド、関節技で切って捨てたのだった。その再戦は"前回のようにはいかなかった"などという甘いものではなかった。

レスナー対ミアの2戦目は、歴史に残るUFC 100記念大会のメインイヴェントに組まれたが、もはやほとんど試合にならなかった。レスナーは選手としての大きな成長を見せつけ、毎秒のようにミアを殴りつけ、最後はミアをケージに追い詰めると、4XLサイズの巨大グローヴで繰り出すパウンドでミアの顔を血まみれにした後、失神させるという恐ろしい試合で第2ラウンドのノックアウト勝ちを収めたのだった。



スティペ・ミオシッチ vs. マーク・ハント、UFCファイトナイト 65

UFCのオクタゴンに足を踏み入れる選手はみな、大きなダメージを負ってしまうリスクと可能性をよくわかっている。しかしながら、現UFCヘヴィ級チャンピオンのスティペ・ミオシッチがUFCファイトナイト 65でマーク・ハントにしたことはもはや犯罪すれすれ、将来長きにわたってUFCのもっともワンサイドの試合として君臨し続けるだろう。

ハントはキャリアを通じて、世界でもっともタフな選手の1人として知られてきていた。しかしこの試合では、時に選手はタフすぎて痛い目にあうことがあるということが明らかとなる。ミオシッチはハントに凶悪な打撃を浴びせ、何度もテイクダウンを取り、第5ラウンド2分47秒にレフリーがこれ以上は危険だと判断して試合を止めるまで、1試合での打撃数としてはUFCレコードとなる361発を放ったのだった。

"ザ・スーパー・サモアン"ことハントも常に一発ノックアウトの危険性を感じさせたが、ミオシッチのオールラウンドなスキルと、ヘヴィ級としては優秀な運動能力はハントにとって悲劇のレシピだった。結局ハントは試合を通じてパワーを発揮することができず、ミオシッチが調子に乗り始めると、もはやあらがうことはできなかった。ミオシッチは正視できないほどにハントにパウンドを浴びせ、ハントの顔面をボコボコにし、打撃の被弾数差315発(361発対46発)という、20年のUFCの歴史でももっとも一方的な差をつけたのだった。
Translation by Kuniaki Takahashi

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