UFC史上もっとも残酷な圧勝劇10選

By Mike Bohn
ブラック・レスナーがフランク・ミアを叩きのめす(Photo by Jon Kopaloff/Getty Images)


(Photo by Josh Hedges/Zuffa LLC via Getty Images)

アンデウソン・シウバ vs. フォレスト・グリフィン、UFC 101

元UFCチャンピオンのアンデウソン・シウバが、2009年8月開催のUFC 101で、リアリティショー『ジ・アルティメット・ファイター・シーズン1』優勝者フォレスト・グリフィンに、ヘッド・ムーブメントと反射神経のレクチャーを授けたうえにノックアウトしてみせたこの試合は、オクタゴン内で繰り広げられたアクションの中でも、映画『マトリックス』にもっとも近いものであった。

当時すでにUFC史上最高の選手として衆目の一致するところだったシウバではあるが、いまだに観客動員力を高めようと苦闘しているところだった。グリフィンをわずか3分23秒で完全に破壊してしまったこの試合は、シウバのスター性を高めるのに大いに役立った。

シウバはUFCミドル級のチャンピオンだったが、挑戦者を一掃してしまった後、この試合では20パウンド体重を増やしてライトヘヴィ級戦に臨んだのだった。グリフィンの身体の大きさと攻撃的なファイトスタイルは"ザ・スパイダー"ことシウバにとっては興味深い試練になると思われたが、試合は完全にブラジル人シウバの手のひらの上であった。グリフィンがどれほど猛烈に前進しながらパンチを放ってみても、パンチを放った先にシウバはいなかった。両手をだらりと下げたシウバは、グリフィンのパンチをことごとく、滑るようにすりぬけてしまう。そしてグリフィンが近づきすぎたその刹那に、シウバは完璧なタイミングでカウンターのパンチを放ち、グリフィンをノックダウンしてしまうのだ。

グリフィンがタフであるがゆえに、試合は不必要に長くなった。それでも1ラウンド中に3回目のノックダウンを喫した時、グリフィンがこれ以上の攻撃に耐えることができないことは明らかで、レフリーが試合を止めたのだった。



ケイン・ヴェラスケス vs. ジュニオール・ドスサントス、UFC 155とUFC 166

ケイン・ヴェラスケスのUFCでの勝利のほとんどが、"残酷な圧勝劇"の枠に収まるものであるとはいえ、ジュニオール・ドスサントスとの2度のタイトル戦での猛攻は、オクタゴンで繰り広げられたその残虐性のゆえに傑出した存在となっている。ヴェラスケスとドスサントスはUFCで3度戦っており、いずれもヘヴィ級タイトルがかけられていた。最初の試合は一瞬で終わった。2011年11月に開催されたUFC初の地上波全国放送、UFC on FOX 1で、ドスサントスがヴェラスケスを61秒でノックアウトしたのだった。

試合後にヴェラスケスが負傷を押して出場していたことが明らかとなり、2012年12月のUFC 155で再戦が組まれた時、ヴェラスケスは今回こそ万全の状態で力を発揮することを誓っていた。そして試合はまさにその通りとなる。ヴェラスケスはブラジル人のドスサントスに対して、25分間にわたって容赦なく攻め続けたのである。スタミナの化け物、ケインから繰り出される衝撃的なまでにハイペースの攻撃に、ドスサントスはもはや対応することができなかった。1試合で100発以上の有効打を当て、さらに10回以上のテイクダウンを決めたのはUFC史上でヴェラスケスただ1人である。その過程でドスサントスの顔は完全に変形してしまった。

それではまだ足りないとばかりに、両者は1年も経たない2013年10月のUFC 166で3度目の戦いを行う。この試合は2度目の試合とほぼ同様の様相を呈したが、ただ違いは、判定決着ではなく、第5ラウンド残り2分、ヴェラスケスがドスサントスの身体をマットにたたきつけ、パンチで仕留めて試合をフィニッシュさせたのだった。



ネイト・ディアス vs. ドナルド・セラーニ、UFC 141

2016年3月のUFC 196でコナー・マクレガーを下したことでおなじみのネイト・ディアスではあるが、それ以前のもっとも代表的な勝利と言えば、2011年12月のUFC 141でドナルド・セラーニに対して繰り広げた打撃レッスンだった。

この試合に臨む前のセラーニはまさに赤丸急上昇の6連勝中、うち4勝はUFCで挙げたものだった。勢いがあったのは"カウボーイ"ことセラーニだったのだが、ディアスにはこの男を黙らせる対策があった。ディアスの攻撃は常に、大量の打撃がカギとなる。そしてセラーニとのライト級戦では、ディアスのフットワークは15分間、アクセルペダルを踏みっぱなしだったのだ。いったんディアスの打撃がセラーニを捕らえ始めるともう止まらない。セラーニが一息付けるのはラウンド間のインターヴァルだけであり、試合が再開されるとディアスは直ちに仕事に戻った。セラーニもギヴアップを拒み、できる限りの反撃を試みたが、その攻撃はまるで効いていなかった。セラーニが驚くほど頑丈だったために、ディアスはこの3回戦をフィニッシュすることはできなかったものの、有効打数ではUFC史上最大の142発の差がついた。これが5回戦ではなく3回戦の記録であることを踏まえると、非常に驚くべき成果であると言える。
Translation by Kuniaki Takahashi

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