ポール・マッカートニー、ニール・ヤングの共演:デザート・トリップ2日目レポート

By STEVE APPLEFORD
大物アーティストが集結したデザート・トリップ・フェスティバル2日目夜のパワフルなステージでオーディエンスを盛り上げたポール・マッカートニーとニール・ヤングが、同じステージに上がって共演した。(Photo by Andy Keilen for Rolling Stone)
ポール・マッカートニーとニール・ヤング、2人のロック・レジェンドが歴史的なフェスティバルの2日目に共演した。

ポール・マッカートニーはファンにとって大切なツボを心得ている。2016年10月8日(土)、カリフォルニア州インディオで開催されたデザート・トリップ・フェスティバル2日目の夜、彼は7万人以上のオーディエンスを前にステージに立っていた。マッカートニーには、ビートルズ時代からソロへ、そして50年以上のキャリアで何世代にも渡るファンとも共有してきた大切なものがある。

2009年のコーチェラ・フェスティバルでヘッドライナーを務めた時のように、マッカートニーはデザート・トリップに姿を現した。マッカートニーを追って国中を追いかけるコアなファンだけでなく、別の理由でその場にいたファンたちにもプレゼントを用意していた。この日のハイライトは、マッカートニーの前に迫力あるパフォーマンスを披露したニール・ヤングを再びステージに呼び戻した所から始まった。

彼らがまずファンのためにチョイスしたのは、レノン=マッカートニーの名曲『ア・デイ・イン・ザ・ライフ(原題:A Day in the Life)』で、曲の途中からジョン・レノンのソロとしての代表曲『平和を我等に(原題:Give Peace a Chance)』につながる構成で披露した。ステージ上で笑顔を浮かべた2人は、続いて『ホワイ・ドント・ウィー・ドゥー・イット・イン・ザ・ロード(原題:Why Don’t We Do It in the Road?)』へ突入した。荒削りながら光り輝くソロを楽しそうに弾くヤングをフィーチャーしたこのステージは、長く人々の記憶に残るだろう。

現在進行中のマッカートニーのOne On Oneツアー同様、オープニング曲はイントロ一発でそれとわかる『ハード・デイズ・ナイト(原題:A Hard Day’s Night)』。愛用のヘフナーベースをかき鳴らし、ビートルマニアの時代にタイムトリップした。ペースの速いアップビートな雰囲気でステージは進み、2曲目はビートルズ解散後初めてのソロ・キャリアの曲『ジェット(原題:Jet)』。ウィングス時代、マッカートニーは独自のサウンドを確立していった。

「ちょっとこの景色を楽しませてくれよ」とマッカートニーは言うと、ステージを横切りながら地平線の彼方まで続くオーディエンスの顔を見回した。マッカートニーのセットリストは、ビートルズ時代からソロに至る数十年間のキャリアのさまざまな曲を織り交ぜたもので、いつものように大声援を浴びながら元気のよいステージを展開した。『レット・ミー・ロール・イット(原題:Let Me Roll It)』にいたっては、メドレー形式でジミー・ヘンドリクスの『フォクシー・レディ(原題:Foxy Lady)』につなぎ、インストゥルメンタルでエネルギッシュなギターソロを披露した。

マッカートニーのソロ曲はウィングス時代から現在も70年代の典型的なサウンドで、ビートルズっぽい曲はほとんどなかった。新しい曲も何曲か披露し、妻ナンシーに捧げたロマンチックなバラード曲『マイ・ヴァレンタイン(原題:My Valentine)』を、グランドピアノで静かにドラマチックに歌いあげた。コンサートの翌日が2人の記念日だ、とマッカートニーは語った。バックには、ジョニー・デップとナタリー・ポートマンの出演した同曲のPVのモノクロ映像と、手話による歌詞の朗読が流された。マッカートニーがソロになって初のヒット作で、亡き妻リンダのために書かれた『恋することのもどかしさ/ハートのささやき(原題:Maybe I’m Amazed)』は、世界中を興奮に巻き込んだ怒涛のビートルズ時代を過ごした彼がひとりの家族の一員に戻った時代を思い起こさせた。


(Photo by Andy Keilen for Rolling Stone)
Translation by Smokva Tokyo

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