マイケル・ジャクソンの邸宅の秘密:トーマス・ドルビー、浮世離れした邸宅内部の様子を語る

マイケルの荘厳な邸宅には噴水があり、砂利を敷き詰めた車回しもあった。重々しい玄関の扉はガラスで縁取られ、クリスタルのシャンデリアに照らされた広い玄関ホールが透けて見えた。玄関ホールは大理石フロアで、両側にバスビー・バークレー・スタイルの螺旋階段が見える。私は玄関ベルの綱を引いて鳴らし、びしょ濡れのTシャツとジーンズ姿で待った。私はてっきり執事かお手伝いさんが応対するものと思い込んでいた。ところがしばらくして現れたのは、ピンクのレジャースーツに身を包み、らせん階段を悠然と降りてくる小柄な人物だった。大理石のフロアを横切り近づくその人こそ、「彼」だった。

玄関先に水たまりを作って立ちつくす私の前でドアが開いた。マイケルは笑顔で私を迎え、玄関ホール奥の小さなバスルームを指差した。洗面台の横に山積みされたペーパータオルを使って濡れた髪を拭い、ずぶ濡れの服の水気をできる限り吸い取った。

私がバスルームから戻ると、マイケルは玄関ホール中央部の豪華なシーティングエリアのそばで待っていた。「座りましょう」と彼はクッションのきいた革張りのソファへ私を導いた。私がソファに腰を下ろすと、マイケルは宝石が散りばめられた中世の巨大な玉座に座った。玉座はとても大きく、マイケルはよじ登るようにしてようやく腰掛けた。彼の両肘はかろうじて肘掛けに届くといった感じで、明らかに大柄な人(おそらくヘンリー8世?)のために作られたものだった。玉座に腰掛けたマイケルは、さながら彼自身をかたどったアクションフィギュアのようだった。

部屋を見回すと、興味をそそられる高価そうな美術品がずらりと並んでいた。純金のマントルピースの上に置かれたガラス鐘に入ったヴェネツィアン・クロック、アライグマのはく製、ビーダーマイヤーのゲームテーブルの上の中国象牙のチェスセット、その隣には台座に乗せられたダース・ベイダーのヘルメット。レジャースーツに身を包み、玉座に腰を落ち着けたマイケルが口を開いた。「気に入ったかい?」

「私は星占いなんて信じない人間ですが、12星座のうちから選ばれた私と同じ星座の人間が、今ここにいる私のようにラッキーな時を過ごしているとは思いません」と、私は答えた。

「シンボリズムは好きだよ。とてもシンボリックだね。例えば僕は乙女座だけど、乙女座のシンボルは正に僕のイニシャルM.J.みたいでしょう。マイケルはメモ帳を取り上げ、書いて見せてくれた。彼のメモ帳には、さまざまな言葉や歌詞の一部のようなものがランダムに走り書きしてあった。私と同じだ。

Translation by Smokva Tokyo

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