the HIATUS 細美武士|音はもちろん、言葉にも徹底的にこだわる作詞術とは

By Joe Yokomizo 2016/08月号 P9〜10 |
7月6日に待望の5枚目のアルバム『Hands Of Gravity』を発売した the HIATUS
細美武士率いる音楽家集団とも言えるthe HIATUSが、待望の5thアルバム『Hands Of Gravity』をリリースした。音はもちろん、言葉にも徹底的にこだわる細美武士の作詞術とは?

作詞は、テープを貼って隠されている“言葉”をめくっていく作業

―MONOEYESをやりながらの制作だったと思うのですが、音楽性の違う2つのバンドをやりながら制作するのは大変でした?

大変だとかは全然ないよ。そもそもMONOEYESの始まりが、the HIATUSの武道館公演(2014年12月)が終わって5枚目を作ろうって話になった時に、"その前に、別で1枚作りたい"っていう話をメンバーにしたからで。要するにthe HIATUSでやれないものに対する欲求を、どこかでちゃんと消化してから取り組まないと、中途半端なものになりそうな気がするからっていう話でさ。で、MONOEYESをシャカリキでやったおかげで、the HIATUSでやるべき音楽に集中することができたんだよね。

―なるほど。

MONOEYESがあったおかげで、なんでもこい! みたいな、自由で肩の力が抜けた気分で制作に向かえたから、生み出したものがどういうものになるかは、もう流れに任せようって気分で作ってたんだ。なんとなく俺はすごくマニアックな、アヴァンギャルドなものになると思ってたんだけど、フタを開けてみたら、メロディがバシッと立った、難解さを感じさせないポップなものに着地したのは、正直、俺たちも驚いてる(笑)

―(笑)しかも、そのバシッと立ったメロディと言葉が一体となっているでしょ? 例えば、8曲目『Secret』のサビの"Underground"って部分は、言葉とメロディが完全に同化してる。これがものすごい気持ち良いし、アートなんだよなぁ。

今言ってくれた部分は、このメロディが生まれた瞬間から言葉がそこにいたんだよ。音と同時に言葉が出てきてるというか。

―音が先か、言葉が先か、じゃなくてメロディと言葉が一緒に出てくるんですね。

俺の場合は、一部分だけがそうやって最初から分かっていて、残りの歌詞は白いテープで隠されたような状態で生まれてくる。もともと詞は"そこにある"んだけど、大部分はテープが貼ってあって見えない。"Underground"は、メロディが出てきた時から見えてた部分。そうやって、見えてる部分がバラバラに点在してるんだけど、俺にとって作詞っていうのは、残りの部分のテープを丁寧にめくっていく作業なんだ。だから1行目から書き進めるわけじゃなくて、バラバラに単語が見つかっていく。最終的に、最後の一語がめくられるまで全体の意味がわからない詞もある。でも、音階だけで悲しさとか楽しさが伝わるように、メロディラインはそれ自体が独自の物語を持ってる。だからどこから詞を見つけて行ったとしても、メロディが一曲を通して完結していれば、その時点で詞も必ず完結してるわけ。

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