UFCデビュー戦で完敗、CMパンクの今後は?

UFC 203でミッキー・ガルに完敗したCMパンク(Photo by Rey Del Rio/Getty Images)

CMパンクは、UFC 203でミッキー・ガルに、2年分の期待感をあっという間に潰された。

UFCのベテラン解説者、ジョー・ローガンは、CMパンクがプロとしてのMMAデビュー戦をUFCで行うことを"場違い"だと称した。そしてミッキー・ガルも、この元WWEスーパースターに厳しい洗礼を浴びせた。パンクはテイクダウンを取られ、打撃を散らされると、わずか134秒で締め落とされてしまったのだ。こうしてパンクのMMAデビューは、彼自身にとっては落胆の、そして多くの識者には予想通りの結果に終わった。

もちろん、パンクもUFC 203での試合に至るまでの様々な出来事について、称賛されうる面もあった。ちなみに、UFC 203が行われたクリーヴランドのクイックン・ローンズ・アリーナは、2年前にパンクがWWEのCEO、ヴィンス・マクマホンにプロレスから足を洗うと最後通牒(つうちょう)をつきつけた、まさにその会場である。自ら"ベスト・オブ・ザ・ワールド"と称していた(実際確かにそうだったかもしれない)プロレスでのキャリアを30代半ばで捨てて、パンクは新しい道を歩み始めたのだ。その新しい道というのが、大ファンではあったが経験はなかったMMAへの挑戦だった。

もっともそんなことはUFCにとってはどうでもいいことだった。パンクがMMAに転向したがっているとのウワサが流れると、彼の知名度が視聴者数やペイ・パー・ヴュー売上につながるのではないかと考えたUFCは選手としてパンクを獲得したのである。パンクの側(がわ)にも、こうした申し出をうけ、トップレベルの練習をほぼ2年にわたって行うという余裕があった。その2年の間に、厳しい練習、負傷、試合の延期など、いろいろなことがあった。そしてUFC 203でついにパンクは、UFCが長年、”世界最高のファイターであることを証明する場所”として宣伝してきたそのオクタゴンにその勇姿を現したのであった。しかし、一方的な敗戦で明らかになってしまったように、パンクは”世界最高のファイター”からはほど遠かった。

「僕にとって、最低の最初の冒険になってしまった」とパンクはUFC 203大会後記者会見で涙をこらえて語っている。「今回このようなチャンスをいただけて、断るなんてあり得ないことだった。僕は自分に厳しい人間だ。負けたことにはがっかりしているし、こんなに一方的だったことには腹が立つ。本当はもっとできるんだ」

Translation by Tetsuya Takahashi

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