"東京発世界行き"注目デザイナー落合宏理が語る、物作りの原点

By Takamura Masashi 2016/10月号 P110〜111 |
Photography by Yusuke Yamatani
今、世界が注目する東京ブランドとは?その答えに挙がるのは、間違いなくこの2つだろう。〈ホワイトマウンテニアリング〉と〈ファセッタズム〉。両デザイナーは、奇しくも年齢を同じくする。彼らは、何を見て、何を感じ、何を生み出しているのか。"東京発世界行き"の出発点と行く先を探りたい。

世界を知ったことでもっと東京を発信したくなったー相澤陽介

"ポスト・サカイ"・・・いつしかそんな枕詞が付き始めた。ありがたくもあり、歯がゆくもあるだろう。ただ、それは明らかに"世界"に近づいている証左だ。ブランド名は、ファセッタズム。「面」を意味するFACETからの造語だが、文字どおり、さまざまな「面」を見せてくれる。設立は2007年。小さな展示会から始まって約10年経った今も、社長としてデザイナーとしてブランドを率いる落合宏理は走り続ける。2012SSシーズン、東コレのランウェイに登場するや2013年、毎日ファッション大賞にて新人賞・資生堂奨励賞受賞。昨年は、ジョルジオ・アルマーニの新進デザイナー支援プログラムに選ばれ、ミラノコレクションのランウェイに。そして、2017SSシーズンでは、LVMHプライズのファイナリストとしてパリコレに登場した。

「ミラノでは、世界的にはまだ無名といっていい僕らのブランドが、突然〈エトロ〉と〈グッチ〉の間に出てきた。個人的には"ラッキー"って感じではあったんですが、某ブランドの先輩に言われました。"俺たちが莫大な時間とお金をかけて実現したことを、落合は飛び級でやれている。単なるラッキーで終わらせるなよ"って。そこで意識が変わりましたね」

〈アルマーニ〉がこれまで選んできたのは、アンドレア・ポンピリオなど、イタリアに縁のあるデザイナーが多数。そんななかで日本人の落合が選ばれた昨年は、異例と言ってよかった。彼がハイファッションのメインストリームに身を置くことで見えたものがある。

「"東京は世界で注目されてるよ"って関係者に言われることが本当に多いんです。でも、実際はそうでもない。やっぱり世界から見て東京と言えばアキバ的、カワイイ的だし、僕らが東京で何をしているかは世界に伝わっていない。ミラノでイタリアのローリングストーン誌に"君たち、どんなことするの?"って聞かれたときはさすがにショックでした。"あれ、〈アルマーニ〉に呼ばれてきたのに?注目されてるはずなのに?"って(笑)」

予想外の"無名感"を突きつけられる一方で、確実な手応えも獲得している。
Direction & Interview by Tadashi Mochizuki,Edit by Hiroshi Kagiyama

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